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鳥山氏と記者のやり取り
——伊能さんは集英社を辞めた後も、鳥山先生と仕事をする予定なのですか?
「すいません、何も言わないようにと言われているんです。『何かあったら集英社の広報を通してください』って言われました。僕は、軽口叩いて結構失敗してるんで……」
——伊能さんの会社は今後どういう仕事をやっていくのでしょうか?
「余計なこと言うと怒られるんで、申し訳ないです」
——伊能さんの新会社は「カプセルコーポレーション・トーキョー」だと思いますが、これは鳥山先生が名付けたのでしょうか?
「いやいや」
——伊能さんが考えた?
「そうですそうです。(自分は)『えーっ!』て言ったほうです」
——びっくりした?
「はい」
鳥山氏は「よっけいな(余計な)こと言うと怒られるんで」と恐縮しつつ、記者の質問に対しては、終始、優しく答えてくれたのだった。いくつもの大ヒット作を生み出した巨匠でありながら、今でも漫画少年の心を持ち続けているような、純粋で温かな人柄を感じた。
前出の「週刊少年ジャンプ」公式サイトで〈僕らは血液レベルで鳥山先生が大好きだから〉と綴った『ONE PIECE』の尾田栄一郎氏は、追悼コメントをこう結んだ。
〈天国が先生の想い描いた通りの愉快な世界でありますように〉——。