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「どうせ多摩の山間部だけの話でしょ」と思ったら大間違い…「熊被害」が東京の“都会に住む人間”にとっても他人事ではない理由

『アーバン熊の脅威』より #1

genre : ライフ, 社会

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 1990年代まで、島根と山口における熊被害はほぼ皆無だった。しかし、現地の医療関係者によると、2000年以降は熊の襲撃による外傷で病院に運び込まれる人が少しずつ増えていたといい、2023年は増加傾向が顕著になっているという。一部では「ツキノワグマは関門海峡を泳いで渡る能力がある」と指摘され、熊が絶滅したといわれている九州にまで生息域を広げる可能性がある。

「都会に住む人間」も例外ではない

 東京都も例外ではない。都の集計によると、2023年11月末までのツキノワグマの目撃等情報は161件。奥多摩町が66件と最も多く、次いで檜原村が23件となった。

 これだけ見ると「東京といっても多摩地域の山間部だけの話でしょ」と思ってしまうが、八王子市が22件、あきる野市が18件、青梅市が17件にのぼっており、着実に熊は都会に近づいてきている。

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熊が都会に現れる日はそう遠くないのかもしれない…。 写真はイメージ ©getty

 研究者の指摘では「東京都内に生息している熊は増加傾向で安定しているとみられる」とされ、今後さらに東京での出没例が増えていきそうだ。

アーバン熊の脅威

アーバン熊の脅威

別冊宝島編集部

宝島社

2024年1月26日 発売

「どうせ多摩の山間部だけの話でしょ」と思ったら大間違い…「熊被害」が東京の“都会に住む人間”にとっても他人事ではない理由

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