日本維新の会の参院議員で、モルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)時代に“伝説のトレーダー”と呼ばれた藤巻健史氏(73)が「週刊文春」の取材に応じ、過熱する現在の株式相場について「近くドカンと下がる」などと警鐘を鳴らした。
東京屈指のディーラーだった
3月4日午前、史上初めて4万円を突破した日経平均株価。その後、乱高下を重ねる中、3月18日、19日に開かれる日銀の金融政策決定会合では、マイナス金利政策の解除に踏み切る可能性が高まっている。
藤巻氏は一橋大学商学部卒業後、三井信託銀行に入社。1985年にモルガン銀行に転職し、東京支店長兼日本における代表者などを歴任。東京市場屈指のディーラーとして、「伝説のトレーダー」との異名を取った。2000年に退社し、ジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めた。金融コンサルタント、フジマキ・ジャパン代表取締役として活動する傍ら、日本維新の会の参院議員が死去したことに伴い、今年1月、同党の参院議員として繰り上げ当選を果たしている。
「今もあの時と同じ匂いがする」
その藤巻氏に話を聞いた。
――株価が3月4日に4万円を突破したが。
「バブルとそっくりですよね。あの時も『株価は8万円になるぞ』と熱狂し、誰も警告していませんでした。でも、僕は資産高騰で経済が狂乱しているにもかかわらず、日銀が警戒心を持っていなかったのを見て『これは危ないぞ』と思った。自分のカネも、当時所属していたモルガンのカネも全部逃げさせて生き残った数少ないプレーヤーです。今もあの時と同じ匂いがする。日米ともに足元ではしばらく上がるとは思っていますが、近くどこかでドカンと下がるんじゃないか、と見ています」