高校生になった二人の制服の着こなしにも、個性の違いが現れている。それぞれ別の高校に進学しても、二人の仲は変わらない。高いところで括ったポニーテールが凜としたハウンは、清楚な印象でいわゆる真面目な優等生にも見えるけれど、ミソからのメールが届けば仮病を使って学校を抜け出し、ミソに会いに行く。学校の勉強よりもミソが大事なことが伝わってくるわくわくするシーンだ。ハウンを迎えに来るミソは、ヘルメットを被り青いスクーターで登場する。制服のシャツのボタンは開けていて、きっちりと着ているハウンとは対照的に着崩しているのだけれど、これもまたかわいい。
ハウンはたとえるなら、春の午後の優しい日差し。ミソはくるくると表情を変えながら反射するミラーボールだろうか。どちらも違った強さと輝きで、魅力的に描かれている。もし目の前にこんなキュートな二人が現れたら、絶対に好きになってしまうだろうな…。楽しそうに笑い合う二人の友情を見つめながら心が浄化されていくのが分かった。
ホテルの廃墟で迎える二人きりの誕生日のシーンも、秘密の共有をしているようで胸が躍った。
「親友」という言葉は怖いものだった
「ソウルメイト」という言葉は、直訳すれば魂の友達。それをもっと身近な日本語に変換するとしたら、「親友」となるだろうか。
幼稚園の頃から、友達は多い方だった。一人で過ごすことももちろんあるけれど、常に誰かがそばにいた気がする。しかし「親友」という言葉は、私にとっては怖いものだった。
マンガやドラマには「あたしたち親友だよね」という、自分たちの関係性を確かめるようなセリフが登場する。自分が同じ言葉をもし言ったら、誰かに言われたらと思うと恐ろしい気持ちになった。なぜなら親友はただ親しい友達というわけではなく、本当に仲が良い、特別な存在しか得られない称号のようなものだからだ。