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篠田麻里子が“浮気しまくる不倫妻”を熱演し、ハードな濡れ場を披露…鈴木おさむ(51)が明かす“驚愕キャスティング”の裏側

『最後のテレビ論』より #1

2024/03/27

source : 週刊文春出版部

genre : エンタメ, テレビ・ラジオ

note

放送まで主演女優を明かさなかった理由

 そして、服部さんはさらに驚く作戦を取った。放送まで主演女優を言わないという方法だ。TBS「VIVANT」のようにドラマの内容をほぼ明かさないドラマはあったが、いやいや、主演女優を明かさないってあります??

 予告編どうするの? と思ったら、まさかの主演女優の顔にぼかしをかける。ポスターも1話の放送が終わるまでは顔を隠すという今まで見たことのない作戦を取りました。

 正直、この1月クールのドラマは話題作だらけだったので、僕のドラマが事前に話題になることはあまりなかったのだが、僕の中では自信があった。脚本もかなりおもしろく出来たなと自負があったからだ。

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 1話の放送はテレビのリアルタイムの時間に、スタッフと出演者、集まれる人が集まって一緒に見た。

 伊藤淳史さん、水野美紀さん、佐藤大樹さん、木村ひさし監督、服部プロデューサー、他沢山。

 放送が始まると、またたくまにドラマのタイトルと篠田麻里子さんの名前がトレンドに入った。

「離婚しない男」で激しい濡れ場を見事に演じた篠田麻里子さん(番組公式Instagramより)

撮影後、篠田さんから頂いた手紙には「かなり悩んだ」と…

 その時、水野さんは、篠田さんへの誹謗中傷などがないか、とても気にしながらSNSを見ていた。そして、篠田さんの挑戦したガッツへの評価が多いことを確認すると「よし!」と自分のことのように喜んでいて、その姿を見てなんだか泣きそうになった。女優として今回の役に挑戦することにどれだけの勇気がいるかわかるのだろう。

 ドラマは1話の放送を終えて、同枠での初回最高視聴率。そして配信で大ブレイクを果たした。1話が放送されて4日経ち、TVerなどの配信で240万再生を超えてテレビ朝日の番組史上最速を爆走中だ。

 出演者、スタッフ、全ての人が頑張ってつかみ取った結果。中でも、篠田さんにはお子さんがいる中でこの役に挑戦した勇気に大きな拍手を送りたい。撮影後、篠田さんから頂いた手紙には「かなり悩んだ」と書いてあったが、そりゃそうです。

 でも、自分が動かないと景色は変わらない。勇気を出して、動いて景色を変えようとする篠田さんの気持ち。きっと励まされる人が沢山いるはずだ。

 僕の最後の地上波連続ドラマとなるこの作品をきっかけに、1人の女優が、大きく羽ばたく姿を見たいなと思っている。それが出来たら、本望だ。

最後のテレビ論

最後のテレビ論

鈴木 おさむ

文藝春秋

2024年3月27日 発売

篠田麻里子が“浮気しまくる不倫妻”を熱演し、ハードな濡れ場を披露…鈴木おさむ(51)が明かす“驚愕キャスティング”の裏側

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