放送中のドラマ『Eye Love You』(TBS系)が最高に面白い。

 主人公は、二階堂ふみ演じる本宮侑里(30)。チョコレートショップを経営する若き社長の彼女は、実は「見つめ合った人の心が読める」というテレパス能力をもっている。知りたくなくても相手の「本音」が分かってしまう――そんな能力を持ってきてしまったがために、「仕事が楽しいし、恋愛はいいかな」という価値観で生きてきた。

 ある日侑里が出会ったのは、デリバリーサービスの配達員としてチゲ鍋を持ってきてくれた、年下の韓国人男性ユン・テオ(26)。日本のドラマには初出演の韓国人俳優、チェ・ジョンヒョプが演じている。

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主演の二階堂ふみと、韓国では“ドラマ界のライジングスター”(次世代を担う俳優)と呼ばれるチェ・ジョンヒョプ(『Eye Love You』番組公式サイトより)

若手社長×年下韓国留学生のラブストーリー

 配達員のバイトを辞めたテオと侑里はもう会わなくなる……かと思いきや、テオはまさかのインターンシップ生として侑里の会社で働くことになっていた。侑里にとって、目が合っても(※韓国語がわからないため)心の声が読めず何を考えているか分からないテオの存在は、どんどん大きくなる。

 ここまであらすじを書いただけで「要素が多い!」と思われるかもしれないが、そう、このドラマはテレパスあり言語の壁ありと、設定が盛り盛りのラブコメディなのだ。

 しかしむしろこの要素の多さこそが視聴者をまったく退屈させず、「今週は何が起こるんだ!?」とドキドキさせることをを可能にしているのである。

12年前の石原さとみ主演ドラマを思い出す

 さて、この令和の傑作ドラマを見ていると私はあるドラマを思い出す。2012年に放送された『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)である。

「月9」の枠で放送されたこのドラマは、IT企業の社長・日向を小栗旬が、彼の会社でインターンシップとして働く大学生・真琴を石原さとみが演じていた。

2011年、24歳当時の石原さとみ ©文藝春秋

 王道のラブトーリーかと思いきや、仕事への情熱にフォーカスの当たったドラマでもあった。続編も作られるなど根強いファンを持ち、「東大生を演じる石原さとみがかわいすぎる」と今でもたびたびネットで話題に上がっている。

 そんな『リッチマン、プアウーマン』だが、主人公の設定を見てみると、気づくことがある。