流ちょうな日本語で自ら書き込むX(旧Twitter)のフォロワー数が33万人を超え、たびたび「バズる」駐日ジョージア大使、ティムラズ・レジャバさん(35)。4歳で初来日以降、人生の半分以上を日本で暮らしている。日本文化にも造詣が深い大使に、ジョージアの映画事情や記憶に残る日本映画について聞いた。
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映画大国ジョージア、日本の「金継ぎ」に着想を得た作品も
──レジャバ大使は映画がお好きだと伺いました。Xでは映画に関する投稿も多くされています。
レジャバ大使 ジョージアは、人口の割に多くの映画作品や映画監督を生み出している映画大国です。映画を観るのもつくるのも大好きという人が多いと思います。
ジョージアでは日本文化に影響を受けた映画も作られているんですよ。2022年に公開された『金の糸』という映画は、ジョージア映画界を代表する女性監督ラナ・ゴゴベリゼ監督が、日本の陶器の修復技法である「金継ぎ」に着想を得て、過去との和解を描いた人間ドラマです。
昨年末、私の人生に大きな影響を与えたジョージア映画界の巨匠、オタール・イオセリアーニ監督が亡くなりました。大変残念ですが、近年はジョージアの若い映画監督による意欲的な作品も数多く発表されています。ぜひ日本のみなさんにもジョージア映画を観ていただきたいです。
『君の名は。』『呪術廻戦』…日本のアニメも人気
──ジョージア映画は、ソ連時代の社会構造を風刺したものや、伝統文化への思いなど、歴史や文化に強く結びついた作品が多い印象です。国内では、ハリウッド映画よりも、自国の映画のほうが人気なのでしょうか。
レジャバ大使 一般的に国民に人気があるのは軽いタッチで描かれたコメディーだと思います。ハリウッド映画も人気ですよ。近代的なショッピングモールには、たいてい最新設備の整った映画館が併設されているので、みんなそこでポップコーンを食べながら映画を観ています。
日本のアニメ映画も高い人気です。『君の名は。』や、『呪術廻戦』には、根強いファンがいます。