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『タンポポ』でラーメンに開眼し、『東京物語』で日本人を知る…“バズる”ジョージア大使の「ためになった日本映画」〈Xフォロワー33万人超〉

2024/04/06

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画, 国際

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レジャバ大使 印象に残っている映画は、なんといっても大学時代に映画マニアの友人と観た鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』です。私が通っていた大学の近くに「早稲田松竹」というミニシアターがあって、そこで上映した時に友人に「観に行こう」と誘われて鑑賞しました。アクションもなければ、夢か現実かわからないような場面が延々と続く不思議な映画でした。友人は釘付けになって観ていましたが、私はずっと「いつ終わるんだろう…」と思いながら観ていました(笑)。

 影響を受けた映画は、伊丹十三監督の『タンポポ』です。私はいま時々Xでラーメンレビューを書いていますが、ラーメンレビューを書くようになったのは、実はこの映画を観たからなんです。

「ラーメン健太 」のレビューが大バズり

 正直、ラーメンはそんなに好きなわけではありませんでした。でも、『タンポポ』を観てその奥深さを知り、そこからハマりました。

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 去年、「ラーメン健太 」のレビューを投稿した時は18万ビュー(現在は68.6万ビュー)を達成。私とジョージアの存在を一気にバズらせました。

 実はこのラーメンレビューは去年でやめようと思っていたのですが、いまだに続けています。今年も身体をいたわりながら、こだわりの一杯を求めていきたいと思っています。

日本文化の理解に参考になった『東京物語』

──言われてみれば確かに、大使のラーメンレビューは『タンポポ』で主人公がラーメン道を教わるプロセスを彷彿とさせます。伊丹監督の映画はほかの作品もご覧になられたのでしょうか。

レジャバ大使 はい。『スーパーの女』も大変面白く観ました。私は大学卒業後、キッコーマンに入社してスーパーまわりをしていた時期がありますので、スーパーで働く人の気持ちがわかるという点でも共感できました。

 店の立て直しの物語ですが、日本人の礼儀やコミュニケーションについても勉強になりました。

日本人の礼儀や暮らしを映画から学んだというレジャバ大使。胸元のピンバッジはジョージアと日本の国旗をあしらったもの ©深野未季/文藝春秋

 それから、小津安二郎監督の『東京物語』も日本人の精神が宿った素晴らしい映画だと思います。絶妙な人間関係や日本人の生活様式がていねいに描かれていて、極めて完成度の高い作品ですよね。ずっと日本の名作といわれる映画を観たいと思っていたのですが、やっと観られた時には「なんでもっと早く観なかったのか」と思いました。

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