実は「占い通」の多い政財界。また、永田町の重鎮たちに信頼され、名を馳せてきた占い師たちも多いという。もともとは占い師として活動し、のちに脚本家に転身した中園ミホさんと、占いにも造詣の深い政治ジャーナリストの岩田明子さんが、占い師と政治家の「深い関係」について語り合った。

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占いは「当たる、当たらない」だけではない

 岩田 私、昔から占いが大好きなんです。2003年に西洋占星術の占い師に「玉の輿運が出ている!」と言われて、この機を逃すものかと慌てて、いい人はいないかと「ご紹介」をお願いしたほどです。

 中園 驚異的な実行力ですね(笑)。

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中園氏と岩田氏 ©文藝春秋

 岩田 法務省の知人に頼んで、結婚願望のある部下の方を紹介してもらいました。彼の生年月日を占い師に伝えると、「いい相性です」と。親にも紹介して結婚を視野にお付き合いがスタートしたのですが、少し経つと、突然「なかったことに」と申し出られてしまい……。

 中園 それは酷い!

 岩田 しかも占い師に「これが最大の結婚運。もう二度とチャンスは訪れないでしょう」と、母親の前で言われ、母がひどく悲しい顔をしていたのが忘れられません。

 中園 私は失恋した人に相談されたら、「10回破談になっても、11回目に運命の人が見つかればいい。そのために今回の失敗はあったんじゃないでしょうか」と言いますね。

 岩田 ぜひ中園さんに見てもらいたかったです。

 中園 私の占いの師匠である今村宇太子(うめこ)先生が考案した、四柱推命をベースに気学と数気学を加えた手法に、自分なりの解釈を交えた「福寿縁(ふくじゅえん)うらない」を行っています。それで岩田さんを占ってみると、今年の4月が「縁起月」と出ていますね。

 岩田 それは、どういう意味なのでしょうか。

 中園 ご縁のある人に出会う、もしくは以前からのお知り合いと急接近する月です。今年から交際が始まれば、再来年、ご結婚の可能性も大いにあると思いますよ。

 岩田 本当ですか? 最近はどの占い師にも「老後に友人はいますか? 孤独になりませんか?」とばかり聞いています。世の中も不透明で、この先、不安しかなく、運気が上がる気がしなかったんですが。

 中園 いえ、岩田さんはいま運気が上がってきている時ですよ。

 私は、占いは「当たる、当たらない」だけで判断するものではないと思っています。今村先生から習ったのは「いま生きているのが『表の世界』だとしたら、占いは『裏の世界』の地図だ」ということ。「そこに行くと転ぶかもしれない」と占いで出たら、気を付けて赴く、もしくは転びにくい靴を選べばいい。占いは用心するための地図なんです。友人の林真理子さんには「占い師は天災も当てられない」とエッセイで書かれたりもするのですが(笑)、占いの答えがすべてではなく、それを人生の選択にどう活かすかが重要なんです。