「彼らについての資料は、試合やインタビューの映像、記事など、たくさんあった。有名人だったからね。だから、この家族にいつ何が起きたのかの時系列を整理するのは簡単だったよ。
だが、リサーチを進めるうちに、僕はあまり知られていない事実を発見することになった。たとえば、デビッドは25歳で結婚して娘を授かったんだが、その子は1歳で死んでしまっている。フリッツの妻ドリスの兄は、25歳で亡くなった。その兄の名前はデビッドだった。ドリスは自分の息子のひとりに同じ名前をつけたんだよ。あの家族はそういうことをたくさん経験しているんだ」
温かさの滲み出るザック・エフロンは役にぴったり
兄弟を演じるのは、ティーンのアイドルから本格的な役者へと成長したザック・エフロン、『キングスマン:ファースト・エージェント』『逆転のトライアングル』の英国俳優ハリス・ディキンソン、ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』の大ヒットで注目のジェレミー・アレン・ホワイト、ニューフェイスのスタンリー・シモンズ。
マイクを演じるシモンズだけはオーディションで選ばれたが、ほかはダーキンの直感で声をかけた。最初に決まったのは、主人公ケビンを演じるエフロンだ。
「僕は以前からザックのファンで、一緒に仕事をしてみたいと思っていたんだ。会ってみたら温かさの滲み出る人で、そこがケビンにぴったりだった。まずケビン役を固めて、彼の弟にふさわしい人たちを考えていったのさ。
ハリスとはちょうど別のことで話していて、デビッドにどうかと思った。ケリー役をオファーしたジェレミーとは、ずっと前からの知り合い。この3人はきっと仲良くなるだろうという予感が僕にはあったよ。
マイク役には新しい人を起用して、ブレイクのきっかけをあげたいと思った。スタンリーは経験が浅いけど才能豊か。末っ子役としてすごくしっくり来る。実際、彼らはすぐに打ち解け、本当の兄弟みたいになってくれた」
チャボ・ゲレロ・ジュニアがプロレスを指導
彼らにはレスリングの経験がまるでなかったが、撮影前の特訓で見事に肉体改造をしてみせた。そこに関しては、俳優たちを完全に信頼していたとダーキンは言う。