今年もプロ野球がきょう3月29日、開幕する。東北楽天ゴールデンイーグルスで昨シーズンの開幕投手を務めた田中将大は、昨年(2023年)10月に肘の手術をして現在もリハビリ段階にあるため、今季はまず2軍からのスタートが決まった。これについて楽天の永井怜投手コーチは「(チームが)1年間を戦っていく上で絶対に必要な選手なので、1軍で戦う体の準備をさせる」と説明している(「河北新報ONLINE」2024年3月24日配信)。田中個人にとっても、米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキース在籍時(2014~20年)を含む日米通算200勝達成まであと3勝を残すのみとあって、今季は大事なシーズンとなる。

 楽天の昨年の開幕戦は、対戦する北海道日本ハムファイターズの新球場・エスコンフィールドHOKKAIDOで行われた。夫人であるタレントの里田まいは当日、登板する夫よりも早く、試合開始の4時間前には当時7歳の息子と3歳の娘を連れて球場入りしたという。試合では田中が見事勝利投手となる。里田は女性誌での連載エッセイで次のように振り返った。

里田まい

《どんな瞬間も、私は見守るんです。そして、声援を送る。そう、今年から声出しOKなんです! この日は完全アウェー。そんな中、めちゃくちゃ声出していた楽天ファンは私です(笑)。(中略)そしてこの日、楽天イーグルスは勝利! ヒーローインタビューで夫が言ったひと言が私にはとても胸が熱くなりました。このアウェーな状況でのマウンドについて夫が、「自分には経験がある。地に足をつけて試合に挑めた」的なことを言っていて。今までたくさんたくさん、数え切れない修羅場を経験してきた彼だからこその重みのある言葉に胸が熱くなりました》(『LEE』2023年6月号)

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 夫への思いがこれでもかとばかりに伝わってくる。田中がヤンキース在籍中には、妻の里田もアメリカ流に従って遠征先に同行することが多かった。それだけに日本にいる選手の妻以上に夫を見守ってきた時間は長いといえる。

牧場で働くアイドル

 楽天に籍を置く立場としてはアウェーとはいえ、北海道は夫妻にとって縁の深い土地だ。田中は道内の駒大苫小牧高校卒、里田にとってはほかならぬ生まれ育った故郷であり、高校卒業後、アイドルグループ「カントリー娘。」に入ってからも“半農半芸”というグループのコンセプトから1年ほど、十勝の花畑牧場で働きながら芸能活動を行っていた。

 きょう3月29日は里田の40歳の誕生日でもある。彼女が芸能界に入るきっかけは、高校1年生だった2000年、「モーニング娘。」のオーディションを受けて最終選考の合宿審査まで残ったことだ。だが、このときは両親から反対され、けっきょく辞退する。のちに当人が著書で明かしたところでは、両親は彼女が高校を卒業するまでは北海道を離れさせたくなかったらしい(『ひとりだけどカントリー娘。です』竹書房、2009年)。