最上 最近は間違えられるだけじゃなく、イジられるようにもなりましたね。私立恵比寿中学のライブにオーボエ奏者として参加したときは、「今回は有名な方がオーケストラに来てくださっています。葉加瀬太郎さんです!」みたいに紹介されたり。
事前に何も知らされなかったから、「うわーきたー!」と焦りつつも、「オーボエ界の葉加瀬太郎です」と挨拶をして、その場を乗り切りました(笑)。
――ご自身でも「似てるなぁ」と思われますか?
最上 正直、自分ではそこまで似ているとは思っていません。ただ、奥様の高田万由子さんから間違えられたときは自分でも驚きましたね。太郎さんに同行したオーケストラツアーのときに、僕が楽屋から出たら「太郎くん!」って声をかけられて。
「あれ? 違う! 最上くんちょっと本当にやめてよ~」と言われました(笑)。奥様も間違えるってことは、よほど似ているのかなと思いました。
「太郎さんは、正直気持ち悪がっていると思います」
――この状況を太郎さんはどう思っているんでしょうか?
最上 面白がってくださってるとは思いますが、どちらかといえば気持ち悪がっていると思います。昨年春のツアー最終日に、太郎さんの衣装を真似て、ヴァイオリンケースを携えて会いに行ったら呆れ果てた様子でした(笑)。「もう本当になにやってるんだよ」って失笑されていましたね。
でもその後、葉加瀬太郎音楽祭にシークレットゲストとして呼んで頂いて、ステージで「そっくりさん演出」をしてくださったんです。太郎さんが「ひまわり」を演奏しようとしたときに、楽譜がないことに気づき一旦ステージ袖に引っ込む。出てきたと思ったら、オーボエを持った僕が登場して「ひまわり」を演奏するというユニークな演出でした。こうして尊敬する太郎さんからもイジっていただけるのは、とてもありがたいです。