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人口156人、上陸困難な“絶海の孤島”青ヶ島を現地取材! 1週間生活してわかった“リアルな島暮らし”

人口156人、上陸困難な“絶海の孤島”青ヶ島を現地取材! 1週間生活してわかった“リアルな島暮らし”

絶海の孤島・青ヶ島 滞在ルポ #2

2024/04/20
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世界的に有名な「二重のカルデラ」がある場所へ向かうと…

 大量に荷物があったが、大勢で運んだため約1時間で作業は終了。その後、レンタカーで「池之沢」地区へ繰り出すことに。青ヶ島のシンボルでもある、二重のカルデラがある場所だ。三宝港からは車で5分、集落からは車で10分ほどで、徒歩で行くのは難しい。

二重のカルデラがある「池之沢」地区

 カヌレのような部分を「内輪山」、カヌレの外側の部分を「外輪山」と呼ぶ。外輪山の中は観光客も散策できるが、内輪山の入り方を知っているのは、島民でもごく一部の人に限られているのだそう。

外輪山の中を散策

 ちなみに、伊豆諸島最南端に位置する青ヶ島の緯度は、宮崎県とほぼ同じ。また、付近を黒潮暖流が流れているため、年間の平均気温は宮崎県よりも高く、冬でも10℃を切ることは少ない。

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 さらにこの池之沢では、「ひんぎゃ」(“火の際”を語源とする島言葉)と呼ばれる火山の熱で蒸された水蒸気が発生しているため、12月でも半袖1枚で過ごせるほど暖かかった。

12月の池之沢。長袖だと腕まくりしてしまう暑さ

地熱釜と「ふれあいサウナ」を楽しむ

 1966年に東京電力青ヶ島内燃力発電所が設置されるまでは、島内で電気が使えず、ひんぎゃが主なエネルギー源だったのだそう。

 池之沢には、ひんぎゃを利用した「地熱釜」や「サウナ」もある。地熱釜は島民以外の観光客も無料で利用可能。サウナは300円で利用できる。

ひんぎゃを利用した地熱釜
卵やさつまいも、じゃがいも、チョリソーを地熱釜に入れて待つことに

 釜に食材を入れて2時間ほどで天然の蒸し料理が完成すると聞いて、持って行った卵やさつまいも、じゃがいも、チョリソーを入れてみた。待っている間は、地熱釜のすぐ隣にある「ふれあいサウナ」を利用することに。