地熱を利用したサウナは冬なのに異様に暑い
地熱を利用しているから、季節によって55~60℃の振れ幅があるというこのサウナ。滞在中は冬ということもあり、普段からサウナに入っている筆者は「ぬるいんじゃないか」と侮っていた。が、ドライサウナではなくミストサウナのためか、5分と耐えられない程、サウナ室の中は異様に暑かった。しかし、島の人達はこの暑さに慣れているのか、涼しい顔をして楽しんでいた。
脱衣所の隣にはテレビ付きの休憩室もあり、ゆっくり過ごすことができる。次に来たときは、5分以上は入っていられるようにリベンジしたい。
サウナから出る頃、釜で蒸した野菜がちょうど頃合いに。さつまいもとじゃがいもはホクホク、ホロホロに。卵は黄身がトロトロの半熟卵に。チョリソーは皮はパリッと、中は噛むと肉汁がジュワッと溢れ出すジューシーな仕上がりになっていて、あっという間に平らげてしまった。
食事が終わる頃には、日が傾き始めていた。加絵さんに「港から見る夕焼けが絶景だ」と聞き、再び三宝港に戻る。
青ヶ島の近くには、他の島はない。遮るものが何もないから、地平線の向こうに沈んでいく夕日を、最後の瞬間まで眺めることができた。
青ヶ島の知られざる“お酒事情”
ここで、青ヶ島の“飲み会事情”を紹介しよう。青ヶ島といえば、独自の製法で作られる幻の焼酎「青酎」が有名だ。島に自生する植物「オオタニワタリ」と野生の菌で作るため大量生産できず、作る人や年によっても味が異なるのが青酎の特徴で、島内の岡部地区にある「青ヶ島酒造合資会社」では、杜氏の解説を聞きながら試飲ができる。
青ヶ島の人たちは、美味しい食事と美味しいお酒が大好きなのだが、島には小さな居酒屋が1軒しかないので、飲み会は基本的に誰かの家で行う。滞在中も、毎日のように島の人達の飲み会に招いてもらった。
青ヶ島滞在6日目。最後の夜は、青酎に魅入られて数年前に移住してきたHさんと、青ヶ島の自然に惹かれて半年前に移住してきたMさんの自宅に招かれた。