個人情報が相次いで漏洩した問題を受け、総務省から韓国企業との資本関係を含む経営体制の見直し要請を受けた「LINEヤフー」(東京都千代田区)。経済安全保障上の問題にも発展しかねない今回の問題を巡り、高市早苗経済安全保障担当相(63)が「週刊文春」の取材に対し、自身の見解を示すとともに「LINEを使用していない」と明言した。
2021年に続く利用者の信頼を大きく失う不祥事
LINEヤフーの資本構成は複雑だが、韓国IT大手「NAVER」と携帯事業会社「ソフトバンク」が折半して出資する中間持株会社が同社株を約64%保有している。2021年にヤフーと経営統合するまでは、LINEの親会社がNAVERだった。
そうした中、LINEヤフーは昨年11月、LINEの利用者や取引先、従業員の個人情報など約44万件分が流出したことを発表(後に計約52万件まで拡大)。同社がNAVERの100%子会社「NAVERクラウド」にインフラ業務を委託しており、更にその再委託先企業の従業員が所持するパソコンがマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染したことが原因だった。LINEヤフーとNAVERは、システムに接続する際の認証基盤を共通化していたため、LINE利用者にも被害が拡大した。
LINEを巡っては、2021年3月にも中国の業務委託先から利用者の個人情報にアクセスできた問題などが発覚し、総務省が行政指導を行っている。当時、同社は再発防止策を公表していたが、再び利用者の信頼を大きく失う不祥事を起こした形だ。