1ページ目から読む
2/3ページ目

オープン前から行列、開店と同時にダッシュして…

 熊本県の郊外にあるゲームセンターで8年以上店員として勤めている川村雄大さん(仮名・32歳)もまた、ある常連客についての不満を吐露する。

「メダルゲームに夢中で毎日通われる方が一定数いるんですが、朝10時のオープン前から入口前に並んでいて、オープンするとまっしぐらに目をつけていた席に行くんですよ。なかには高齢で、杖を持ちながらダッシュする方もいて、転んでけがをしないだろうかと見ているこっちがヒヤヒヤ。平日だと10人前後、休日だと30人弱は並んでいて、正月でも普段と変わらず来店されるお客さんもざらにいます」

 彼らは前日に当たりがよかった台をチェックしていて、その席の取り合いに必死なのだとか。

ADVERTISEMENT

「目をつけていた席に荷物を置いてキープしながら他の台でもプレイする“席取りトラブル”も多いです。これは禁止しているお店が大半で、僕らも何度も注意しているんですが、『ごめんね。ちょっとほかを覗いていただけなのよ』って流されて、時間が経つとまた複数の席を占領するちゃっかりしたお客さんもちらほら。『〇〇さん、台を掛け持ちしているわよ』なんて密告されることもありますね」

「『〇〇さん、(ゲームの)台を掛け持ちしているわよ』なんて密告されることもありますね」(熊本県の郊外にあるゲームセンターで働く川村さん)※写真はイメージ ©beauty_box/イメージマート

店側がもっとも困る言いがかりとは

 スタッフが一番辛いのは客側の“ある勘違い”による言いがかりだという。

「『俺が当たらないように細工しているだろ!』という言いがかりをつけられることは日常茶飯事です。はっきり言って、店側が毎日のように台の当選確率を調整しているような時間はありません。一応、各台のデータの確認はしますが、それはあくまで異常が起きている台がないかチェックする程度。『この台、当たるように調整してくれない?』なんて頼まれることも多いですが、もちろんそんなことできませんよ」

 さらに、子どもの迷惑行為も多いという。

「機械をバンバン叩いたり、揺らしたりして力技でメダルを落としたり……。メダルゲームエリアの床を四つんばいで動き回って、落ちたメダルを探している子も。それを注意せずにプレイに熱中している親御さんが多いこともまた問題ですよね。中には子どもを置いたまま別のエリアに行ってしまう方もいるので、対策が必要だなと感じています」