「『勝手に時間を延長された』みたいなウソの報告を運営にしてまで、女の子の価値を下げようとする人もいる。ダサすぎるよねー」

 水商売で働く女性たちを困らせる「クソ客」の悩ましい生態とは? ライターの佐々木チワワ氏による新刊『ホスト!立ちんぼ!トー横! オーバードーズな人たち ~慶應女子大生が歌舞伎町で暮らした700日間』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

水商売で働く女性たちが嫌悪する「クソ客」とは―― 写真はイメージ©getty

◆◆◆

ADVERTISEMENT

キャバ嬢たちが例外なく嫌う「クソ客」とはいったい?

 俳優・香川照之(58)の「銀座クラブホステス暴行事件」には、歌舞伎町の夜職女性たちも大盛り上がりだ。

「高いお金もらってるんだから、このくらいのリスクは負うべきでしょ」

 ネット上にはこういった香川を擁護する意見も少しはあるが、歌舞伎町女子のほとんどは「こういう客いるよね~!」と怒り心頭だ。歌舞伎町のキャバクラで働くアカネ(仮名・23)が語る。

「歌舞伎町のキャバは黒服もコワモテが多いから、香川照之みたいにブラジャー剝ぎ取りまでやる客はあんまりいないかな。でも、服のなかに手を入れておっぱい揉んでくるヤツはけっこういますね。そこからさらにウザいのが、セクハラを嫌がると『ほかの子はサービスいいよ?』とか言ってくる客。じゃあそっち行ったらいいじゃん、ってカンジ」

 セクハラ行為は当然のこととして、その他、キャバ嬢たちが例外なく嫌うのがこんな「クソ客」だという。

「『客扱いされたくない!』って言い出す人(笑)。何回か来てお金使ってくれてるならまだしも、初回からいきなり言ってくる客もいる。『いやいや、こちらも仕事ですから』ってなる」

 キャバクラと似たようなサービスで、現在都心を中心に流行しているのが「ギャラ飲みサービス」だ。アプリで任意の場所に女性を呼ぶことができ、一緒に飲むというシステムである。複数名の女性を飲み会に呼ぶこともできるし、一対一で買い物や食事を楽しむことも可能だ。

 そんなギャラ飲み女子の間では、「自己中低評価男」が最も嫌われるという。ギャラ飲み歴3年目のミサ(仮名・25)が明かす。

「身体の関係を迫ってきて、ヤれないとアプリ上で女の子に低評価をつけるヤツ。なかには、『勝手に時間を延長された』みたいなウソの報告を運営にしてまで、女の子の価値を下げようとする人もいる。ダサすぎるよねー」