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茶番が茶番たる理由

 ここで出てくるのが2005年の小泉純一郎首相だ。小泉首相が主導した郵政民営化関連法案で、採決に造反した自民党議員がいた。党紀委での処分は最多の議員59人に上り、37人が除名や離党勧告の処分を受けた。つまりそれ以来の「39人処分」とすることで、

《執行部は05年に次ぐ大量処分とすることで世論にアピールする一方、「郵政超え」は回避し、党内の反発に配慮した形だ。》

©時事通信社

 何のことはない。“あのときの小泉以来の処分の多さ!? 自民党の決断すげー!”と言われたかったらしいのだ。でも誰も驚いていないから、やってる感は不発となった。茶番が茶番たる理由はしっかりあるのである。

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萩生田氏の処分はなぜ軽い?

 続いて、萩生田光一氏(裏金2728万円、自民3位)はなぜ安泰なのか。裏金の多さに比べて党の役職停止という軽い処分だった。国会では「最大のミステリー」とツッコまれていた。

 各紙を読み比べると、萩生田氏は安倍晋三元首相の随一の側近として知られ、森喜朗元首相の評価が「5人衆」の中でも高い。麻生太郎副総裁ともパイプを築き、岸田首相と距離を置く菅義偉前首相とも良好。

 なので、

《9月の総裁選での再選をにらむ首相が、折り合いの悪い実力者同士のつなぎ役にもなり得る萩生田氏を引き込もうと「情実」で処分案を決めたとの見方も》(朝日新聞4月4日)

 日刊スポーツには、

《いまだに裏金問題との関係が不透明な森喜朗元首相との関係の近さが影響したと、いぶかる向きもある。》(4月5日)