神戸の繁華街といえば三宮が挙がるが、かつては新開地が賑わいを独占していた。
昭和20年の神戸大空襲で一帯が全焼する憂き目に遭うが、戦後は活気を取り戻し、1kmほどの目抜き通りに20以上もの劇場がひしめき合う映画のメッカに。新作を公開する封切館はもとより、旧作を上映する二番館、三番館も充実していたという。
新作映画は三宮、旧作は新開地
時代の変遷には抗えず新開地からも次第に映画館は姿を消していったが、開業53周年を迎えたパルシネマしんこうえんは、全席自由&入れ替えなしという昔ながらの名画座として存在感を発揮している。
「新開地には当館以外にも、Cinema KOBEさんという名画座があります。徒歩圏内に2軒の名画座があるのは全国広しと言えども新開地ぐらいのものですが、新作は三宮、旧作は新開地とうまく棲み分けができていると感じます」
三代目支配人の小山岳志さんは「名画座ならではのプログラムの妙を楽しんでもらいたい」と語る。