森友学園問題の舞台となったあの国有地には、瓦礫ではなく、財務省理財局が埋めたパンドラの箱が眠っていたようだ。その蓋が開いた途端、次から次へと問題が噴出。太田理財局長は、出てくる問題への対応に追われ、連日のように国会で陳謝、陳謝と深々と頭を下げているのだが、財務大臣である麻生氏が頭を下げる気配は一向にない。
そんな麻生氏に一気に批判が集中したのは、決裁文書の改ざんを認めた会見のあの態度からだ。麻生氏をよく知る人なら、苛立ってはいるが、あれはいつもの“麻生スタイル”だと思えただろう。でもそれこそが、見ている側に不遜で高慢な印象を与えたのだと思う。
なぜ高飛車な印象が強くなるのか
麻生氏の口調は、べらんめぇでぶっきらぼうだ。イライラしていると声音もきつくなり、さらにつっけんどんで突き放した言い方になってくる。このような口調は、感情を押し殺したような冷たさや、支配的な印象を与えやすい。
おまけに質問するレポーターに睨みを利かせたり、そっぽを向く。会見ではこの口調や態度が際立っていたため、冷たく傲慢で高飛車な印象が強くなった。
そんな口ぶりで「佐川、佐川」と連呼したのだから、何も言えない部下に責任を押し付ける上司というイメージが強くなった。職員による口裏合わせを認め、太田理財局長が国会で頭を下げた時もそうだ。先にこの件を問われた麻生大臣は、太田氏の方を見もしないで、後ろ手で指し示すと「理財局長から説明させる」と淡々と冷たく言い放った。現場のことは現場の責任、頭を下げるのは理財局長の役目とでも言いたげな口調と仕草なのだ。