文春オンライン

「オオタニは韓国を特別に思っている」「オオタニの韓国への愛は本気だ」韓国での“大谷ブーム”に火をつけた“ニッポン人が知らない3つの転機”

2024/04/16
note

韓国で人気が高いドジャース

 ドジャースは韓国人初のメジャーリーガーのパク・チャンホ選手をはじめ、これまで4人の韓国人選手が所属していたチームで、韓国ではMLBの球団の中で最も人気が高い。「KBO(韓国野球委員会)の11番目の球団」(※韓国プロ野球球団は10球団)というジョークまであるほどだ。

 韓国人から熱狂的な支持を受けているドジャースが、「10年7億ドル」という巨額の契約金をもって大谷選手を迎える。そんな劇的なストーリーに、韓国メディアは大いに沸いた。

 さらには、大谷選手の移籍後初の公式戦という晴れ舞台がソウルになるということで韓国での期待はさらに高まった。

ADVERTISEMENT

「今夜ソウルシーズンが始まる」とインスタグラムにハングル語で投稿(大谷選手の公式インスタグラムより)

 ある韓国ネットメディアの記者は、次のように振り返る。

「2022年11月にもMLB事務局とKBOは『コリアシリーズ』というMLBワールドツアーのイベントを企画していたのですが、開催のわずか2週間前に中止になるという事態がありました。韓国で有名なメジャーリーガーがほとんど参加しないことに加え、チケット代が相場に比べてかなり高額だったために、前売り券がほとんど売れなかったのです。

 今年のソウルシリーズは、韓国人メジャーリーガーのキム・ハソン選手が所属するサンディエゴと韓国人に最も人気の高いドジャースとのマッチアップに成功こそしたものの、『チケット代が高すぎるのではないか』『球場に空席ができたらどうしようか』という心配の声がKBO内部から聞こえていました」

 風向きを変えたのが、大谷選手のドジャース移籍だった。