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「やりたくない仕事」「不本意な異動」を命じられたら…真山仁が語る『ハゲタカ』誕生秘話と「失敗のすすめ」

「やりたくない仕事」「不本意な異動」を命じられたら…真山仁が語る『ハゲタカ』誕生秘話と「失敗のすすめ」

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何が正しいのかは行動してみないと分からない

 ただ、違和感を覚えても、伝え方には気をつけましょう。“正しさ”は人の数だけあります。しかし、日本ではいったん認められた“正しさ”に対して「それはおかしいんじゃないか」「いつまでそんなことをやっているのか」という意見を同調圧力によって封じ込めがちです。「疑う力」をストレートに発揮したら干されてしまった――そんなことも起こり得ます。子供なら許されますが、大人は思ったことをそのまま口にしないほうがいい。

 大人の社会では、いきなり「それ、おかしいですよ」と言うのではなく、「落としどころ」を考えてから話すことが重要です。

 たとえば、「このままでは大変な事態を引き起こすリスクがあると思うのですが」と断ってから話す。話さえ聞いてもらえれば、相手も対処法を考えるでしょうし、「そうか。それなら、君がなんとかしてくれ」と言ってもらえるかもしれない。何が正しいのかは行動してみないと分かりません。

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真山仁さん

 また、失敗した途端に「こうなると思っていたんだよね」と言ったり、一つ失敗すると、全部失敗だと決めつけたりする傾向もあります。これでは、誰も挑戦しなくなる。成功のためには挑戦が必要で、挑戦して失敗するのは当然。成功とは、挑戦と失敗の繰り返しの先にあるものです。

 何度失敗したとしても、チャレンジをあきらめない姿勢が尊い。動く前に結果を恐れて動けなくなるのが、いちばんもったいないと思います。

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