4月12日(金)に放送がスタートしたドラマ『イップス』(フジテレビ系)に、バカリズムさんとダブル主演している篠原涼子さん。
篠原さんが小説を書けなくなってしまった人気ミステリー作家、バカリズムさんが犯人を追い詰められなくなってしまったエリート刑事を演じ、イップス状態で絶不調なふたりによるバディものミステリーコメディです。
筆者はドラマ批評コラムの連載で年間約100本を寄稿していますが、『イップス』の主人公は篠原さんの新たな当たり役となる可能性を充分に秘めていると感じます。
篠原さんに対して、主演作品に引っ張りだこで、ずっとトップ俳優の位置にいる役者だというイメージを持っている方も少なくないとは思いますが、実は近年はその“需要”にかげりが出ていると見る向きもあったのです。
90年代から始まった彼女の芸能キャリアを振り返り、今回の主演作『イップス』が新たなターニングポイントになる可能性について、考察したいと思います。
過激さがウリのコント番組で耐え続け…
1973年生まれの篠原涼子さん。現在50歳、デビューは1990年で芸歴は30年以上。16歳のときにアイドルグループ・東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビューしました。
しかし東京パフォーマンスドールでブレイクしたわけではありません。彼女の世間的認知度を高めたのは、あの伝説のコント番組。
1991年から『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、ダウンタウンや今田耕司さん、東野幸治さん、板尾創路さん、ほんこんさん、YOUさんといった猛者たちのなかに飛び込み、鍛えられていきます。
過激さもウリだった同番組では、篠原さんは男性レギュラー陣のアドリブで、胸を揉まれたり股間を突かれたり長時間キスされたり……。どう考えても現在のコンプライアンスでは完全にアウト。令和では考えられないような凄まじいハラスメント行為に耐え続け、笑いに転化させていたのです。
筆者としては、『ごっつええ感じ』に登場したばかりの頃の彼女を観ていた当時、のちにミリオンアーティストになり、さらにそののちにヒット作連発の大女優になるなんて、恥ずかしながら微塵も予想できませんでした。