ここまで読んで、あっ、と気がついた読者もいるでしょう。
地方自治法改正の中身が公表された日、テレビのコメンテーターもSNSも国民感情も、ある別なニュースにジャックされ、それどころではなかったことに。
「緊急事態条項」は一体誰の悲願だったのか
パーティ券の売り上げをキックバックされた安倍派幹部議員7人が、不起訴にされたというビッグニュースに、国民は激怒していたからです。
ワイドショーは検察への批判コメントで盛り上がり、スポーツ紙の見出しもこれ一色。
さらにこの日に『週刊文春』が、『ダウンタウン松本人志の性加害スキャンダル』第3砲を公開しており、地方自治法改正など、ネットの話題にすらなりませんでした。
今国会で設置予定の「憲法改正条文案起草機関」で創設される「緊急事態条項」は、一体誰の悲願だったでしょうか?
1月30日に行なった通常国会の施政方針演説で、総理はしっかりと顔をあげ、自分の言葉で力強くこう訴えていたのです。
「自分の総裁任期中に、憲法改正を実現したい」
そしてその1か月後、改正地方自治法が閣議決定されたのでした。今後、緊急事態条項、そして憲法改正への道筋がどうつくられていくのか、注視していかなければなりません。
地震・雷・火事・オヤジ。それでも「原発」は安全です!?
能登地震のニュースの後、海外の友人たちが次々にこう問い合わせてきました。
「ニュース見たよ、大丈夫!? 原発は?」
2011年3月11日の東日本大震災で、福島第一原発が人類史上最悪の事故を起こした日本で、地震が起きた! となれば、世界は真っ先にそこを心配するのです。
今回、震源地から65キロの場所で震度5強の揺れを受けたのは、今は止まっている志賀原発(石川県羽咋郡志賀町)でした。
北陸電力は、地震翌日に記者会見を開いてこう発表します。
「外部電源は一部使えませんが、安全上必要な機器の電源はちゃんと確保しています」