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――このメンバーでキープレイヤーは誰になりますか。

 山本でしょう。ゲームを作れる選手で、攻撃のスイッチとなる縦パスを入れられるし、展開力がある。UAE戦では山田(楓喜)を始め、前線との連携もよかった。左利きで、見えるところが独特で、局面を打開するきっかけになるというか、相手を崩す上で必要な選手だと思います。

先制点を奪えるかで勝敗が決まる

――カタール戦、何が勝敗を決めるポイントになりますか。

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 3つポイントがあって、まず、スタメン。大岩剛監督は全選手に信頼を置いているというけど、やっぱり軸になる選手っているんですよ。中途半端なメンバーでいくとカタールに押し切られてしまう可能性が高いので、どういうメンバーでいくのか。ここが最初のポイント。

 2つ目は、試合の立ち上がり、集中して入れるかどうか。ぼんやり入ると、相手はホームで勢いに乗ってくるので、簡単に失点してしまう可能性がある。球際で激しく相手に当たる、セカンドボールを拾うなど、当たり前のことを当たり前にやることが、すごく重要になります。

 最後は、先制点を奪えるかどうか。先に点が取れれば相手は慌てるだろうし、追加点を狙いながら優位に試合を展開することができる。逆に先制点を奪われると、相手が乗ってくるし、カタールの武器であるカウンターを喰らいやすくなる。そういう展開になるのは避けたいですね。

大岩剛監督 ©時事通信社

かなり苦しい試合になるのが予想されるが、勝てない相手ではない

――日本がカタールに勝てる可能性は、どのくらいあると思いますか。

 50%でしょう。ノックアウトステージは引き分けじゃダメ。勝たないといけない。そのためには得点が必要になるけど、UAE戦、韓国戦であれだけ決定機を外してしまうと、大丈夫かなと思ってしまいます。

 カタール戦は、あそこまでたくさんチャンスはないと思うので、ちょっと怖いなと……。日本は中2日だけど、カタールは中3日で休養も十分。僕たちがアトランタ五輪を決めたサウジアラビア戦のように、かなり苦しい試合になると思います。でも、勝てない相手ではない。決めるべき選手が決めて勝ち切り、いいムードで準決勝に繋げてほしいですね。

取材・文=佐藤俊