――そのお医者さんに出会えるまで、いくつも病院を転々とされたのですか。
遠野 そうですね、なかなかそういった先生に出会えなくて。例えば私、緊張すると手が震えちゃったりするんですけれど、ある病院の先生は「なんで震えてるの」と言ってきたりとか。意見が合わないこともあるし、自分に合った病院を見つけるのって、とても時間がかかるなぁと思います。
「詳細までは理解が進んでいない」摂食障害に対する“世間の理解”に思うこと
――摂食障害について、世間での理解は進んでいると思われますか。
遠野 認知度は広がっていると思います。「摂食障害なんです」と言うと誰でも「ああ、そうなんだ」とすぐに言ってくださるので、昔みたいに説明がいらなくなりました。
でも、なぜそうなるのかとか、詳細までは理解が進んでいないと思います。摂食障害という言葉と、「食べられなくなるやつでしょ」くらいの認識はあると思うんですけど。病気の背景に、親との関係が根深く関わっているケースが少なくないことも、あまり知られていないと思います。
予防のためにも、知識が広まったり、小学校の授業などで取り入れてほしいとも思いますね。本当に、命を落とす可能性もある病気なので。
――近年、「ルッキズム(外見重視主義)」について注目されるようになりましたが、遠野さんは外見重視主義についてどういう考えをお持ちですか。
遠野 私はあんまり美人だとか、そういう顔の造形に興味がなくて、整形しようと思うこともないんですね。幼い頃から母親に呪いをかけられてきたから、自分の顔は大っ嫌いなんですけど。でも最近は、笑顔が大切だな、と思うことが増えました。
笑顔がある人は男性も女性も魅力的だと思いますし、自分自身もいつも笑顔でいるように心がけています。笑顔さえあれば、顔の造形って全然関係ないなと思います。自分の顔も、「笑ってればまあまあマシじゃん」と思えるようにもなりました。
芸能人の容姿や体型に影響されすぎないでほしい
――ご自身が子どもだった頃と今では、外見重視の風潮が変わりつつあると感じますか。
遠野 なんならもっと強くなっちゃってるんじゃないかな。今は美容整形とかがもっと身近になってしまっているし、画一的な美しさというか、「こういう顔がいいんだ」という価値観が広まっているようにも思えます。