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宮内庁インスタで見られる“貴重な情報”

 また、掲載の早さにも驚かされる。これまでの宮内庁のHPでは、天皇・皇后が儀式などに参加したとしても、その写真が掲載されるまでに、数週間近くかかることがあった。ところが、インスタグラムは当日にアップロードされることもある。スピード感ある現代にあって、SNSであるインスタグラムもまさにその運用がなされているのである。

2月23日、64歳の誕生日を迎えられた天皇陛下と雅子さま 宮内庁提供

 信任状捧呈式の東京駅から皇居までの馬車の日時の予定が、インスタグラムのストーリーズ(約1日間のみ掲載されている情報)で紹介されることで、その情報の貴重さという印象を与え、常に宮内庁のアカウントに注目しなければという意識を人々に与えるのではないか。

秋篠宮家のインスタグラムはあり得る?

 とはいえ、課題もある。現在のところ大部分は、天皇・皇后のみの情報が掲載されている。もし若い世代に訴求させたいとなれば、そうした世代である愛子内親王や佳子内親王の情報も掲載すべきということになるだろう。ところが、Yahoo!コメントやXなどを見ていると、秋篠宮家への批判が未だに継続しており、宮内庁のインスタグラムにも秋篠宮家の情報を掲載するなという声もある。しかし、それでよいのか。

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 皇室全体がどういう活動をしているのかを知ってもらうことこそ、象徴天皇制全体を理解してもらうことにつながる。現在のアカウントですべての情報を網羅するのか、もしくは宮家やそれぞれの親王・内親王で独自にアカウントをもってそちらで更新するのかなども考える必要があるだろう。園遊会を紹介する投稿では天皇・皇后、愛子内親王とともに佳子内親王、秋篠宮夫妻らの姿も掲載されており、行事の性質によって判断されるのかもしれない。

4月23日、春の園遊会に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さまと秋篠宮家の次女・佳子さま ©時事通信社

 さらに、現代社会は興味関心が移るスピードは速い。同じようなコンテンツを更新していても、次第に飽きられてしまうだろう。しかし、情報を切り売りしてしまっては、最終的には天皇・皇后のプライベートまでもがすべて掲載されなくてはならない状況に陥ってしまうかもしれない。そのあたりのバランスをどうはかっていくのか、今後の課題と思われる。それを注目していきたい。