「今から思えば、これから起こる被害のはじまりでした」
CICとは、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関で、CICホームページで本人の契約内容や支払い状況等の信用情報を確認できる。「今から思えば、これから起こる被害のはじまりでした」とKさんは言う。
2日後、KさんがAの家へ遊びに行くとこう言ってきた。
「1月からホストをやることになった。友達がホストクラブを出すから、ある社長から1億円を出資してもらった。友達と売上を上げて返さなきゃいけない。Kを幸せにできないから別れてほしい」
Kさんが「別れない方法はないの?」と問うと、Aはこう言った。
「お金を借りて店で使ってほしい。風俗はしてほしくないから、お金を用意してほしい。途中まで返してくれたら残りは自分が払う」
「彼と約束した将来を考えて、お金を借りることを決意しました」とKさんは振り返る。そして、Aは続けざまにこう言ってきた。
「お金の借り方を教えてくれる知り合いのBがいるから紹介するよ」
資金調達のためにBが電話で指示してきたこと
そして翌日、AがKさんにLINEで個人情報を送るように連絡を入れてきた。
「『氏名』『住所』などの項目が箇条書きになっているテキストメッセージに、個人情報を入れて返信しました。親の情報も。身分証は画像で送りました。他に『用意したほうが良いものある?』とAに聞くと『源泉徴収票かな』との答えが返ってきました。
その数時間後には、Bから、LINEで連絡が入りました。『資金調達の件でお繋ぎ頂きました、Bと申します! 宜しくお願い致します』と。次の連絡手段は、電話を要求してきたので、翌日にリスケしました」(Kさん)
Bと電話することをAに伝えると、電話中は一緒にいてあげると話したという。
「『Bと電話するのは不安だと思うから、一緒にいるよ』とAは言ってきました。結局は来なかったですけど」(Kさん)
Bが電話で指示してきたことは、
・Googleアカウントをつくり共有すること
・テレグラムのアプリをインストールして、今後の連絡はテレグラムですること
の2つだった。
「600万から800万円調達できると言われた」
KさんはBとテレグラムでやりとりを始める。
「このとき、はじめて借入できる金額を聞きました。600万から800万円調達できると言われました」(Kさん)
それから10日間ほどの“資金調達”の日々が始まる。
「まずは、Bが4つの銀行のホームページにある融資申し込みページから申し込みをはじめました。Bから『もし融資目的確認の電話がかかってきたら、車の売買目的と言うように』と指示がありました。