ホストクラブで“預かり金”と称した札束が…
「そして、約束通り25日にホストクラブへ行きました。何も注文していないのに、ホストがスタッフに『持ってきて』と言って出てきたのが、“預かり金”と称した札束が入ったインペリアルでした。意味がわかりませんでした。インペリアルの値段もわかりません。ただし、その日、クレカで53万円を切られました」(Kさん)
個人間貸借を装って、“預かり金”と称してホストに回収され、ホストクラブでの飲食代やボトル代に充てられる。Kさんも約1000万円を飲食代で相殺された被害者である。これが最近の悪質ホストの手口だ。
その日を境にAの態度は急変したという。Kさんが連絡してもはぐらかされ、返信が遅くなった。Kさんは、後日、直接店へいって問い詰めた。
「『スカウト紹介するよ。お金ないなら、風俗どうかな?』と言ってきました」(Kさん)
Kさんは、LINEでも問い詰め続けた。
「『人生の責任とるとか言って逃げるようなことしないよね、人として』と言っても、何度電話しても出てくれませんでした。LINEが乗っ取られたとか言って、テレグラムに連絡してほしいなど、逃げ続けられました」(Kさん)
ホストのマインドコントールから抜けたきっかけ
Kさんは、「性風俗に行くことが、どうしても踏みきれなかった」と言う。しかし、この拒否が、ホストのマインドコントロールから抜ける早道でもあった。Kさんは、返済を考えると昼間の仕事では追いつかず、コンカフェで働いた。毎日届く支払い督促状や催促の電話でメンタルを壊した。
ホストクラブに通っている間は、ずっと連絡を絶っていた母親に連絡した。全てを打ち明けて2日後に母と会った。母親がメディアに出ていた青母連へその日に連れていった。今、Kさんは、青母連の弁護士に相談している。現状では、彼女自身も法律に抵触している。しかし今回の件を「告発したいから」と被害届を出すことを視野にいれている。
青母連の事務局長の田中さんは、
「Kさんの被害は、悪質ホストとスカウトの組織的な詐欺とみています。Kさんが特殊なケースに遭ったのではなく、最近ではホストに貢ぐために出し子になったというケースも聞きます。女性からお金を取れるだけ取ろうとしているだけにしかみえません。犯罪に加担させられるので、いざホスト通いから抜けたとき、共犯ということで罪になってしまう。女性が声を上げづらい状況です」
と言う。
青母連の事務所には、行方不明になった娘を探してほしいという親が全国から来るという。この状況を生み出しているホスト産業とは接客業としていかがなものか。