「被害に遭った自分がなぜストーカーと言われなければならないのか」
「お金を返してもらいたくて女性を待ち伏せしていたら、警察から注意を受けた。被害に遭った自分がなぜストーカーと言われなければいけないのか」
警告を無視して平澤さんの自宅を待ち伏せしていた和久井を、同課はストーカー規制法違反で逮捕している。
そうした和久井の執拗なストーカー行為に悩まされていた平澤さんは、和久井の申し出を拒絶。逆上した和久井は果物ナイフ2本を所持し、平澤さんのもとに向かったのである。
25年の生涯を突然奪われた平澤さんはどんな人物だったのか。新潟県上越市出身の彼女は、18歳のころにはすでに銀座のキャバクラで働いていたという。源氏名名義で作成された自身のSNSでは、当時の奮闘ぶりをこう振り返っている。
〈毎日出勤して指名のお客さん被ってたとしてもフリーが来店したら必ず席付いてお客様ノートと来客、売上を毎日欠かさず手帳に書いてお客さんゼロスタートから4ヶ月目でやっとNo.1になれて辞めるまでずっとその地位を貫いて今の私がいる〉
若くして、キャバクラに関する持論を長文で投稿することもあった。
〈お客様だけ飲んで自分は何も飲まず会話する場所 それはキャバクラではない〉
〈アンジェラベイビーでもあるまいし 黙っててもアルマンドは降ってこない〉
そんなプロ意識を持つ平澤さんは、早々に自分の店を持つことになる。上野・仲町通り。下町ならではの喧騒の中、キャバクラ「C」がグランドオープンしたのは、2021年の暮れだった。近隣の飲食店関係者が明かす。
「開店当時、お店はすごく繁盛していた。コロナの時期だったからドアは開けっぱなしで、中からポン、ポンとシャンパンボトルを開ける音がひっきりなしに聞こえてきました。業者の車も来ていたので、シャンパンタワーをやっていたのだと思います。ママさんはすごく細くて、海外のモデルさんみたいにスタイルが良かった。いつも白いドレスを着ていて、着物を着ている日もありました」
ところが――。