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『虎に翼』について「感じ悪い」とはっきりと書いていた。さすがに「はて?」と思った。鎮目氏は《私の周囲の女性にも絶賛している人が多いので、普段あまり朝ドラは見ないんですが、見てみました。》というが本当にちゃんと見たのか不思議に感じた。

王道の楽しさ

 というのも私が『虎に翼』を見ている理由は娯楽として面白いからだ。伊藤沙莉や岡部たかし、石田ゆり子、仲野太賀ら役者陣が楽しみで見始めた。そしたら物語も面白い。「はて?」や「スンッ」など言葉の表現も絶妙。「スンッ」とは言いたいことがあっても空気を読んで何も言わない態度のことだ。尾野真千子のナレーションも楽しい。寅子の父親が裁判で判決を受けるシーンは小学4年生になるウチの娘も「早く続きが見たい」とドキドキしていた。そういえば法廷劇ってドラマや映画では王道の楽しさだ。

 最新号の「週刊文春」では宮藤官九郎氏が「法律と女性の権利について考える物語だけど深刻ぶってないのがいい。伊藤沙莉さんはじめ俳優陣も美術もタイトルバックも尾野真千子さんの語りも、全体的に可愛げがあって観ててしんどくない。」と書いていた。

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 なので十分「娯楽」として面白いと思っていたのだが、この方からすれば『虎に翼』は「ドラマで社会を操ろう」としているという。だから単純に楽しませろ、と。

 はて?

エンタメと社会性の両立

 エンタメと社会性の両立については、脚本を担当している吉田恵里香氏がインタビューで次のように語っている(朝日新聞5月3日)。