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朝ドラ『虎に翼』は「感じ悪い」という感想に「はて?」 “エンタメと社会性の両立”について考える

2024/05/14
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《プロ野球で特定のチームのファンというのはないというが「すごく運命を感じる。やはり五黄の寅年生まれの寅子ですから。一緒にガオーってやっていきましょう」と“共闘”も誓った。》

 さすがデイリースポーツ、伊藤沙莉に阪神と「共闘」させて終わっている! こちらもゴキゲン。

主人公・寅子を演じる伊藤沙莉 ©文藝春秋

 朝日新聞は憲法記念日にオピニオン欄で取り上げていた。

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《NHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」がすごい。主人公・猪爪寅子は「はて?」を武器に世の不条理と対峙し、あきらめずに考え続けることで敵対や分断を無効化していく。1世紀前の女性たちの話なのに、現代を生きる視聴者の「わかる!」の輪が広がり続けている。》(5月3日)

「はて?」と思ったコラム

 一方こんなコラムもあった。

『主人公は現代からタイムスリップ? 「虎に翼」に違和感 政治的な意図やメッセージ、社会に訴えるためのドラマ使用いかがなものか』(夕刊フジ5月2日)

 この記事の筆者はテレビプロデューサーの鎮目博道氏。テレビ朝日でプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「Abema Prime」をプロデュースした方だという。

 鎮目氏は、

《ドラマが一番訴えたいことが「フェミニズムの重要性」でいいのでしょうか?》

 と問い、

《僕はやはりテレビドラマというのは娯楽のためのものだと思うので、単純に視聴者を夢中にさせたり、楽しませたりするために作ってほしいと思います。》

《あまり「政治的な意図やメッセージを社会に訴える」ためにドラマを使うのはどうなのか。》

《ドラマで社会を操ろうというか、ある方向に誘導しようというのって、感じ悪いです。》