ボブ・マーリーの音楽が持つパワー
『ドリームプラン』でウィル・スミスをキャリア初のオスカー受賞に導き(あの平手打ちで台無しになったのは想定外だったが)、『ボブ・マーリー:ONE LOVE』を大ヒットさせたグリーンは、今やすっかり実力を認められた映画監督。
半分アフリカ系、半分プエルトリコ系で、ハリウッドと何の縁もないブロンクスの父子家庭に育ったグリーンは、この映画に、もうひとつのメッセージを見る。
「ボブ・マーリーは、とても厳しい環境に育った。なのに、あんなに成功した。ありえない話だ。それは世界中の子供たちに希望を与えるだろう。不可能なことなんてないんだよ。自信を持てずにいる時、気が落ち込んでいる時は、彼の音楽を聴くといい。ボブの音楽にはパワーがある。きっと心を癒し、力づけてくれるはずさ」
『ボブ・マーリー:ONE LOVE』
STORY
1976年、カリブ海に浮かぶ小国ジャマイカは独立後の混乱から政情が安定せず、対立する二大政党により国民は分断されていた。すでに国民的アーティストとなっていたボブ・マーリーは、政治闘争に巻き込まれ、暗殺未遂事件が起こる。
そのわずか2日後、ボブは怪我をおして、その後伝説となった「スマイル・ジャマイカ・コンサート」のステージに立つが、身の危険からすぐにロンドンへ。ロンドンでは、のちに「20世紀最高の名盤」と評されるアルバム「エクソダス」の制作に勤しみ、ヨーロッパツアーを敢行する。
一方母国ジャマイカの政治情勢はさらに不安定化し、内戦の危機がすぐそこに迫っていた。内戦を止められるのはもはや政治家ではなく、国民的英雄であるボブ・マーリーだけだった...。
STAFF&CAST
監督:レイナルド・マーカス・グリーン/出演:キングズリー・ベン=アディル、ラシャーナ・リンチ/2024年/アメリカ/108分/配給:東和ピクチャーズ/5月17日公開