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ーー嫌な子供。

内山 芸能界にいると、何かと特別扱いしてもらえることがあって。ステータスって言ったら嫌な感じかもしれないけど、ゲームボーイが発売1週間前に手に入ったり。そういうことがあるので「芸能界にいて良かったな」と感じちゃってたんですけど。

 地元でも、学校の友達と駄菓子屋に行くじゃないすか。皆が100円玉を握りしめてその額で買えるものを考えに考えるなか、僕だけ万札を持ってたりとか。他の子たちは10円や20円を出してスーパーボールのくじを引いて、「うわ、小さい」とか「今度はちょっと大きい」なんて一喜一憂してるけど、僕は万札を駄菓子屋のおばあちゃんに渡して「これ、全部ください」って平然と言ってましたし。

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ーー年齢的にクレジットカードは持てないゆえの現金主義。

内山 マジックテープでベリベリッてやるナイロンの財布に、札束がギッシリですよ。本当は、ハワイ旅行に行った時にヴィトンの財布を買ってたんですよ。でも周囲の反応が悪くて、さすがに小4でヴィトンは可愛げがないのかと思って、ベリベリの財布に変えました。

「子供のくせに偉そうに見えちゃいけない」ってとこに敏感で、持ち物なんかは安い物を持つように気を付けてましたね。ほんと、嫌な子供ですよ(笑)。

©松本輝一 /文藝春秋

取材の話が来ると「今半でなきゃやらない」

ーー楽屋弁当や差し入れなどで美味しいものを食べてたら、「給食なんて食べてられない」といった状態になったりは?

内山 打ち合わせで連れて行かれるのが、叙々苑、游玄亭、今半とかでしたから。正直、いいものは食べてましたね。もちろん、給食は給食の美味しさがあって揚げパンとかソフト麺とか大好きだったけど、取材の話が来ると「今半でなきゃやらない」とかは普通に言ってましたね。

 お腹が減ったら、フラッと寿司屋とか鰻屋に入ってました。小学生1人だとさすがにアレなので、マネージャーと一緒に入って、支払いはすべて僕持ちです。

ーー小学生にご馳走してもらうって、大人としてはどんな気分だったんでしょうね。

内山 マネージャーには苦労かけてたんですよ。小4、小5だと、ゲームソフトとか欲しいじゃないですか。「ドラクエ」の発売日なのに仕事があるときは、マネージャーに代わりに並んでもらったりして。「並んでくれないと仕事行かない」なんてワガママも言ってましたしね。

  ただ、子供心にいけないことしてるなとも感じていたので、「今日、ちょっとお寿司食べていかない?」なんて僕から誘うんですよ。本気で僕のことを憎んでたら一緒に飯なんか食わないだろうと思ってたけど、めちゃめちゃ食ってたんで、「これで納得してくれてんだろうな」みたいなね。

©松本輝一 /文藝春秋

ーー人気もお金も凄くなると、さまざまな感覚が変わっていくと。ちなみにご家族は、そのあたりはどうでしたか。

内山 お父さんも変わりましたね。朝に軽トラに乗って出掛けて、夕方にベンツに乗って帰ってきたことがありましたから。

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