「一人目が生まれた時、僕は子育てを妻に任せっきりだったんです。まだ赤ちゃんで大変な時期なのに、『仕事の飲み会があるから』と朝帰りしたこともありました。彼女はまだ若く、遊びたい気持ちもあっただろう中、一人で赤ちゃんを育てていたから申し訳なかったなと反省しています」
関係を続けていくためには、相手を説得しちゃいけない
お互いの意見が対立した時はなかったのか。
「これまで、激しく口論をするような喧嘩はありません。というより、ちゃんと話し合ったりもしなくて、なんとなくウヤムヤにしてやり過ごしてきました。
なにかで意見が対立した時、長く生きている僕の方がどうしても口が立つし、理詰めで説得しようと思えばできたかもしれません。でも、それはやらないようにしていました。どんなに論理的に正しかったとしても、お互いが納得しないと意味がない。だからあえてはっきりした答えを出さないで、なるようになると思ってやってきました」
“対立しないようにする”という考え方が、夫婦関係の継続のために重要なのだと山口さんは語る。
「相手を説得しようとしちゃいけないっていうのは本当に重要です。『パートナーには正しい理屈で諭されるより、自分の気持ちに寄り添ってほしい』という人が多いのではないでしょうか。この辺りは、普通に付き合っているカップルでも、とくに男の人が失敗しがちなことじゃないかなと思います」
山口さん自身は年齢差で特に困ったことはなかったというが、10代で結婚して、すぐ家庭に入った美咲さんはどうだったのか。
「子どもを幼稚園に迎えに行くと、『10代のお母さんがいる』みたいな感じで好奇の目で見られたりするのは嫌だったみたいですが、聞いたことがあるのはそのくらいですかね。でもきっと、周りと比べると『これでよかったのかしら?』とか思う瞬間はあったと思います」