――お芝居が好きでデビューを決めた?
奥菜 その時は、何かがすごくやりたくて芸能界に行こうと思ったわけじゃなかったけど、好奇心もあったので、とりあえず挑戦してみようと。あと、父からは、「自分がやると決めたら、一生懸命やりなさい」とも言われました。そうしてお芝居を続けていくうちに、魅せられていった感じです。
忙しすぎて記憶が曖昧な学生時代
――学校と芸能活動を並行していた時期は、どんな生活スタイルを?
奥菜 中学生の時はまだ学業優先でしたけど、本格的に活動をはじめた高校からは毎日睡眠時間2~3時間といった過密スケジュールでした。
現場にテスト勉強の道具を一式持って行って、メイクされながら勉強したり。ただ、メイクさんに「上向いて! 今ここでしないで!」と言われて、「ええ~じゃあどこでしたらいいの~」となったこともありました(笑)。
――“有名人”になったことで生活に支障をきたすことはなかったですか。
奥菜 学校にも通って友だちと過ごしたりしてましたから、お仕事以外はみんなと変わらない学生時代だったと自分では思ってます。ただ、当時忙しすぎたせいで、記憶が曖昧なんですよね。
唯一、覚えているのは、中学校の卒業旅行でディズニーランドに行った時のこと。お客さんから声をかけていただくことが多かったので、友だちが周りに見つからないようガードしてくれながらアトラクションを回ったことはありました。
若い時は仕事とプライベートの切り分けに悩むことも多かった
――10代で芸能界に入られて、カルチャーショックもあったのではないでしょうか。
奥菜 昔は、「女優は家事をするな」と教えられていましたけど、「なんで洗い物しちゃダメなの?」と思っていました。時代のせいもあるかもしれませんが、今思えば、古い考え方ですよね。
お芝居って、他の誰かの人生を演じることなので、知っておいた方がいいこともあると思いますし。
――実際、奥菜さんは家事も育児もされているわけですよね。
奥菜 そうですね。繰り返しになりますけど、演じるって、いろんな経験が生かされる仕事だと思うので。
ただ、若い時は、俳優としての「奥菜恵」と、生活者としての私自身の切り分けができなくて、悩むことも多かったように思います。