「清純派」「魔性」と報道されることも…
――「清純派」と言われる一方、「魔性」というキャッチフレーズで報道されることもありました。こうした“レッテル”をどのように受け止めていましたか。
奥菜 特に10代の頃は、いろいろなことを言われることがすごく苦しかったです。周囲のイメージに反抗したくて、“清純”の真逆を行くようなファッションをしたこともありました。
葛藤もあったし、もがいてましたけど、いつからか周囲の声と本来の自分を切り離して考えられるようになって、楽になりましたね。
――YouTubeチャンネルでは「キッチン呑み会」などを配信。プライベートな顔を見せられていて意外に感じました。
奥菜 自分ではそうは思わないんですけど、「ミステリアス」とかってすごく言われるんですよね。
――他にはどんなイメージを持たれることが多いですか。
奥菜 実際に会った人には、「ツンケンしてるかと思った」とか「もっとこわい人だと思った」とか「冷たそう」とか。その度にびっくりするんですけど。まあ、私自身はいたって普通、です(笑)。
年齢を重ねることは怖いことじゃない
――奥菜さんの運転のもと、夫の木村了さんはじめ、助手席に乗ったさまざまな方とのトークが見られる「奥菜TAXI」はまもなく30回を迎える人気コーナーです。企画の発案は奥菜さん?
奥菜 YouTubeをはじめるというのは自分が決めたんですけど、そこで何ができるんだろうとずっと考えて、考えて……「あっ、クルマを運転しながらだったら楽な気持ちでできるんじゃない?」と思いついてスタートした企画です。
――運転がお好きなんですか。
奥菜 いや、運転はべつに好きではないです(笑)。
――俳優だけではなく、YouTubeをはじめたり、美容液を開発されたりと、活躍の場を広げています。改めてデビューから30年を振り返って、今のお気持ちをお聞かせください。
奥菜 白髪やシワも出てきて老いも感じますけど、年齢を重ねることは怖いことじゃない。実際、私もどんどん楽に、自然にいられるようになったと思っています。今は、人は人、自分は自分と、周囲と比べることがなくなって、すごく穏やかで。人生で一番リラックスして、平和に過ごせているかもしれませんね(笑)。
撮影=橋本篤/文藝春秋
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