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 重苦しい空気の中、木村さんが口にしたのは謝罪の言葉、そして「このままだと空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人がしっかり顔を揃えて皆さんに報告することが何より大切だと思いました」と発言した。

 木村さんの視線から、目の前に用意されたコメントを読み上げていることがわかる。彼の言葉ではなく、用意されたコメントの中に“空中分解”という言葉があったことになる。

 続いて稲垣さんが淡々とした表情で「申し訳なく思っている」と頭を下げた。

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役割に忠実だった木村、稲垣と違い、香取は不満を露わに

 与えられた役割に忠実だった2人に対して、香取さんははっきりとやりきれなさや不満が仕草に現れていた。

SMAP ©文藝春秋

 自分の番が来ると、まず左手の上に組んでいた右手を握りなおす。何を謝っているのかよくわからない謝罪の言葉を口にした後、足を揃えて背筋を正し、誰よりも深く頭を下げた。だが、顔を上げても次の言葉が出てこない。ここで、彼はごくりと何かを飲み込んだように見える。

 憤り、怒り、悲しみ、どうしようもない思いを一度飲み込んでしまわないと、次に用意された言葉は口にできない。そんな印象の仕草だ。

 事務所から“与えられた”コメントは「皆さまと一緒にまた今日からいっぱい笑顔をつくっていきたいと思っています」。

 表情のない顔で、力のない声でそう述べる香取さんを見て、心からこの言葉を口にしていると思う人はいなかっただろう。

草彅が言いよどんだ「ジャニーさんに謝る機会を木村君がつくってくれて」

 続いて中居さんも謝罪の言葉とともに頭を下げるが、その表情は暗い。コメントもとても短いものだった。事の成り行きを説明することもなければ、釈明もいいわけもない。

中居正広

 最後に、草彅さんの番が来た。前を向いて口を開きかけたが、そこで一度発言を飲み込んでいる。その後、意を決したように彼が口にしたのは「皆さんの言葉で気づいたこともあった」という何の変哲もない感謝のコメントだった。躊躇するような内容ではない。

 だが次の一言は、彼の躊躇の理由を推測するのに十分なものだった。