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「みんな中尾彬という人間に惚れていた」

「中尾は俳優はこうあるべきだという従来の考えに捉われず、新しい俳優像を示してくれたと思う。ただ、ここが俳優の性なんだろうけれど、僕も彼もお互いプライドがある。だから相談をしたことはないし、彼から相談が来たこともない。付かず離れずの関係で続けてきた。それが60年間付き合うには、良かったんだと思う。歯に衣着せぬコメントも秀逸。自分の思ったことをズバリ言うが、それでいて嫌われない。なかなか真似できないよね。みんな中尾彬という人間に惚れていたのでしょう」

中尾彬と池波志乃 ©文藝春秋

 中尾は2007年に急性肺炎で倒れる。一時は「生存率20%」と言われ、死の淵をさまよったが、その後復帰。しかし、今年に入ってから足腰が悪くなり、5月16日に容態が急変、心不全で他界した。

「最後に会ったのは、5年ほど前の雑誌での対談。食事をしながら銀座について語り合うという企画で、その頃は元気でした。でも、あまりにも急です。いくら歳だとは言っても……。中尾からは、いろいろ学ばせてもらった。俳優もいろんな生き方をして良いんだって思えたのは彼のおかげ。お前、なかなか良い生き方したよ、って伝えてあげたいね」

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 現在発売中の「週刊文春」及び「週刊文春 電子版」では、中尾の妻・池波志乃のインタビューを掲載。60分にわたって語った中尾との最後の日々について詳報している。

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