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宮川の答えは…

宮川 映画でもドラマでも、みんなで1つの作品を作り上げるのは同じです。ただ、1年間放送される大河は、桁が違います。野球でいえばオールスター、競馬でいえば有馬記念を毎日やっている感じですね。

 全体からみると自分の出番は少ないかもしれませんが、大きな作品のネジの1つでいられることが幸せです。役者を長くやってきて、初めてそう思いました。

 一方で、独特のスケジュール感には戸惑うこともあります。撮影の出番が急に2カ月くらいなかったりして、「忘れられてるのかな?」と思いました。

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 久しぶりに現場にいくと、上地雄輔さん(道長の異母兄、藤原道綱役)も同じような思いだったみたいで『2カ月ぶりですね(笑)』なんて言い合ったりしたこともあります。

藤原顕光役の宮川一朗太 ドラマ公式Xより

――その他の面ではどうですか?

宮川 セットへの力の入れ方が全く違います。

 これは聞いた話ですが、あるとき宮内庁の方がスタジオ内の清涼殿のセットを見学されたそうです。そのセットがあまりに本格的で荘厳さがあったので、その方は一礼してから中に入ったと。

――共演者の印象は?

宮川 藤原実資役のロバートの秋山竜次さんのことは、テレビやYouTubeで拝見してきましたので、大河での共演を非常に楽しみにしていたんです。かなり堅物の役を実に見事に演じておられる。

 まず、お目にかかって体格の大きさに圧倒されました。座って行う台本読みの段階では、非常に淡々と読まれていたんです。ところが、立ち上がって所作を交えてカメラの前で演じる段になると、180度演技が変わる。

 どちらかといえば、私たち役者は見ている人に考えてもらう、考える余地を残す芝居をしようとします。

 秋山さんは愚直というか、ストレートです。存在感の大きさと目力の強さが場を盛り上げる。ご本人は、非常に真面目にやっておられて、視聴者を笑わそうなんて思っていないでしょうが、そのギャップがいい。共演者もスタッフも、本番中は笑いをこらえるのに必死ですよ。カットがかかった瞬間にみんな笑っています。