これまで数多くのヒット曲を世に送り出し、CD累計6000万枚以上を売り上げたMr.Childrenは今年、結成35年を迎えた。メンバー全員が50代を迎えた現在も精力的な活動を続け、今年7月からは全国11カ所でのアリーナツアーも予定される。そんなミスチルが2018年、2019年に開いた2つのコンサートツアーで約4億円の裏金が作られていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
金融商品取引法違反の捜査で明らかになった裏金問題
不正の舞台となったのはミスチルの所属事務所「エンジン」と、関係会社でミスチルのコンサート制作を行う「クラッチ」という2つの会社だ。
エンジン社の社長である谷口和弘氏(47)は、昨年11月、東京地検特捜部に金融商品取引法違反で在宅起訴されている。
「谷口氏と部下の松尾貴志氏は、衣料品を扱う上場企業の株価を吊り上げるため、粉飾決算や風説の流布に関わったと見られており、今年8月に初公判が開かれます。2人は東京地検の聴取に全面自供。事務所は『所属タレントは無関係で全く関与していない』とコメントしています」(社会部記者)
ところが、その捜査過程で、ミスチルの活動にかかわる裏金作りが明らかになったのだ。
エンジン社の関係者は次のように証言する。
「昨秋の事件について、谷口氏はメンバー4人に謝罪し、許しを得ている。ただメンバーはミスチルに無関係の、谷口氏による個人的犯罪だと考えています。しかし真相は、コンサートでの裏金作り。メンバーにも直接関わる話です」
「週刊文春」取材班はエンジン社の内部資料を入手。さらに多くの関係者の証言によって、約4億円におよぶ裏金作りの全容を掴んだ。