裏金捻出のための水増し請求
コンサートにおける裏金作りの手法は3つに分かれる。そのひとつが約2億円におよぶ経費の水増し請求だ。
通常、ミスチルのコンサートは、エンジン社がクラッチ社に制作を委託。クラッチ社が舞台監督や照明など外部業者に発注する。外部業者はエンジン社に代金を請求し、クラッチ社はエンジン社から、別途、制作協力費を得ていた。
ところが、こうしたコンサートの業務体制は、裏金捻出のため、2018年のコンサート時に変更された。
業者はクラッチ社に請求し、そのクラッチ社は1割から2割水増しした額をエンジン社に請求する。その差額がクラッチ社にプールされるようになったのだ。谷口氏らはこうして得たプール金を、旧知のコンサル会社と、谷口・松尾両氏が設立した別会社を経て、自分たちの資産に替えようとしていた。エンジン社内では、水増し請求の詳細を記した二重帳簿も作られていた。
その二重帳簿には「CLUTCH請求額」に1~2割ほど上乗せされた額が「エンジン請求額」と記されている。例えばアリーナツアーのステージデザイン費では、2社の請求額に200万円の差額が生じていた。
「週刊文春」取材班は、エンジン社、谷口氏、ミスチルのメンバーに事実確認の質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。
6月5日(水)配信の「週刊文春 電子版」および6月6日(木)発売の「週刊文春」では、ミスチルのコンサートにおける4億円の裏金作りについて3ページにわたって掲載する。コンサート協賛金の着服や、手数料のピンハネなど裏金作りの巧妙な手口に加え、チケット代の値上げと裏金作りの関係などについても詳しく報じる。
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