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インスタで詐欺被害→弁護士に相談すると…着手金22万円、「回収できる」と偽って受任した弁護士の末路

インスタで詐欺被害→弁護士に相談すると…着手金22万円、「回収できる」と偽って受任した弁護士の末路

架空投資詐欺 #2

2024/06/13
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弁護士会に懲戒請求、警察に被害届けも

 要するに口止めが条件か。「詐欺被害者を食い物にする“二次被害”弁護士に条件を付けられる覚えはありません。無条件で返して下さい」というLINEを送ったが、川口弁護士側も条件を譲らない。もう金を返してもらったぐらいでは許せなくなった私は、弁護士会に懲戒請求することにした。「懲戒を求める事由」は次の通りだ。

《第一、令和5年6月26日、川口弁護士は、真実は暗号資産や仮想通貨の追跡がほぼ100%不可能な状況であるのに、ホームページの文言等によって懲戒請求者を欺罔し、「詐欺の被害金が回収できる可能性がある」と偽って着手金22万円を騙取したものである》

《第二、令和5年6月26日~8月17日、川口弁護士は一切の弁護士業務を事務員に委嘱し、一度も懲戒請求者に連絡等をすることもなく、非弁行為をさせていたものである》

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 それから1週間後、大阪弁護士会の三木秀夫会長名義で懲戒請求書を受領したという配達証明郵便が届いた。

依頼した川口正輝弁護士のホームページ

 一方、このまま川口弁護士に任せていたら、解決する事件も解決しないのではないかと思い、警察にも相談することにした。こんな小さな詐欺事件では門前払いされるのではないかと思いきや、担当刑事は熱心に話を聞いてくれて、詐欺師とのLINEのやり取りを1スクロールずつデジカメで撮影。被害届も受け付けてくれた。

「このLINEを使っているスマホの名義人を割り出せないでしょうか。私のスマホは任意提出してもいい」

 結果的に言うと、警察はスマホの名義人も割り出してくれた。ところが「A子」とは似ても似つかない名義人で、送金した仮想通貨は海外に流れて行ってしまったらしい。「現在、問い合わせしているが、難しい状況だ」ということだった。警察にしてはよくやってくれたものだ。この時点で架空投資詐欺の被害についてはきっぱりとあきらめた。

 最近流行りのSNS型投資詐欺もそうだが、投資のプロフェッショナルが自分から投資に参加する人を募るというのもおかしな話だ。「投資した金額が倍になる」と言うだけで誇張し過ぎだし、詐欺師がばらまいたエサだと思っていい。残念ながら、「万が一の例外」はない。

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