架空投資詐欺の被害に遭ったと気づいて、弁護士事務所に着手金22万円を支払ってから3週間後の7月17日、川口弁護士から中間報告のLINEがきた。
「お世話になっております。現在は引き続き仮想通貨の追跡を行っております。仮想通貨の被害ではミキシングと呼ばれるものが行われ、相手方で多くの仲介役を介しまして送金が行われます。お電話でも説明したと思いますが最終的に仮想通貨が集まるポイントを追跡していますが、お時間がかかることなのでご理解頂ければと存じます」
ミキシングって何だ? 調べてみると、仮想通貨のマネーロンダリングのようなもので、複数の取引データをシャッフルする技術のことらしい。ということはその事実をつかみ、「仮想通貨が集まるポイントを追跡している」ということか。
だが、それはちょっと違うだろう。私が求めていたのは私が送金した仮想通貨が誰の口座に行き着いたかということだ。そうすれば、相手の住所、氏名、連絡先が分かると言っていたではないか。
話の裏を取るため、DMMビットコインのカスタマーサービスに問い合わせたところ、「当社ではミキシングサービスは行っておりません」という返事だった。担当者から電話がかかってきたので事情を説明すると、「それは警察に申告された方がいいと思います。捜査機関じゃないと無理です。一介の弁護士にはできません」という返事だった。
これは弁護士による詐欺か?
一気に川口弁護士に対する不信感が湧き上がってきた。Xで相互フォローしている金田万作弁護士(東京投資被害弁護士研究会所属)に相談してみると、「少なくとも私の知る範囲ではできません。アドレスを追っていき、取引所まで突き止めることはできますが、バイナンスなど海外の取引所であれば日本からの開示には応じません」との返事だった。
ということはあの弁護士、できもしないことをできると偽って受任したのか。これじゃ弁護士による詐欺じゃないか。
それから3週間後の8月8日、さらに頭にくる中間報告書をPDFで送ってきた。まったく意味のないコインアドレスのデータを48枚も送ってきて、最後の1枚にはこんなことが書かれていた。
《現在調査中ですが、送信先のウォレットから他のウォレットへ資金が移動された形跡があり引き続き調査中です》
弁護士には無理だという話なのに、どうして分かったのか?