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なぜ「回収できる」と偽った?

——詭弁ですね。では、本題に入りますが、暗号資産や仮想通貨はほぼ100%回収できない状況であるのに、なぜ「回収できる」と偽って受任したのですか?

「ご相談当初のお電話でもご説明させていただきましたが、本件は請求する相手の人物像が不鮮明な状態でスタートする為に『絶対返金出来ます』『100%返金出来ます』等のお約束が出来ないとご説明があったかと存じます。送金された日時やご状況含め、ご説明させていただきました。弊所では『架空投資詐欺』での返金実績はもちろん御座います。そして、今回弊所の実績と諸岡様の被害内容を照らし合わせ、合致する点があることから返金の可能性があるとお伝えいたしました」

依頼した川口正輝弁護士のLINE

——DMMビットコインのカスタマーサービスは「ウォレットアドレスやトランザクションIDから相手を特定することは大変困難。当社では暗号資産の入出金につきまして、お相手の調査等は承っておりません」と言っています。先生はどうやって追跡するんですか。現に今だって何も分かってないじゃないですか。これからも分からないでしょう。

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「お電話時にお伝えしました通り、仮想通貨の追跡を行い、相手のウォレットを特定する事となります。DMMビットコインさんのおっしゃる通り、ウォレットアドレスやトランザクションIDから特定することは困難です。現に追跡対応を行っておりますが、相手側の特定には現状至っておりません。困難には変わりないですが『出来ない』訳ではないため、仮想通貨の追跡を行い、相手の特定にいたるまではお時間がかかる事もご了承頂ければと存じます。よろしくお願い致します」

——まだそんなことを言っているんですか。一介の弁護士ごときには「出来ない」です。一度、電話ください。××××-××-××××(日中)

依頼した川口正輝弁護士のLINE 

 これ以降は返金するの一点張りになり、それでも川口弁護士は出てこない。「委任契約書」のときと同じように「返金及び解約合意書」という書面を電子契約サービスのクラウドサインで送ってきたが、そこに書かれていた“条件”を見て、また憤慨した。

《甲(委任者)及び乙(委任弁護士)は、本合意書の締結と着手金の返金を以て現契約を解約とするが、本件で知り得た情報を正当な理由がないまま第三者や外部に漏洩をしない他、誹謗中傷は一切しない旨を確認した》