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 また、これが事前運動にあたるかどうかクロに近いグレーなのは誰もが思うところであって、最終的に、選挙管理委員会などから警告が出なかったとしても、蓮舫さんだけでなく応援演説に出た立憲有力政治家も倫理上どうなのよという感じも強く致します。誰も「これヤベェだろ」って止めなかったの?

 なお、事前運動に関しては旧民主党議員の所沢市長・小野塚勝俊さんが市長選告示前の昨年10月に行った街頭演説で「市長選挙、絶対に勝ちます。皆さまのお力を戴きたい」と投票を呼びかけて、公職選挙法違反(事前運動)の疑いで無事に書類送検になっています。

 公職選挙法の遵守という意味では、折も折、東京15区補選でつばさの党が度重なる選挙妨害で摘発された経緯もある中で、警視庁も頑張って2,000人ぐらい動員して公平な選挙になるよう取り組んでいるさなかのことでしたから、野党第一党である立憲民主党が法の精神を守らずフライングしてるってのはどうなのよと思うところです。

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 まだ参議院議員を辞任していない蓮舫さんは、国会開幕中につき不逮捕特権があるだけでなく、まだ告示前ですので公選法上は「公職の候補者になろうとする者」の扱いですから、最終的には都知事選投開票日を迎えた後で、何らかの沙汰があるのではないでしょうか。これはもう蓮舫さんが好きとか嫌いとかではなく、また事前運動の内容については警察庁・警視庁に判断を押し付けるのでもなく、選挙における「事前運動とは何か」という明確な線引きを求めて誰か有志で告発し、裁判所による司法判断をちゃんと貰うべきなんじゃないかって思ってしまうところです。

コラ画像みたいなチラシを配ったり、戸別訪問を行う支援者が出たり…もう滅茶苦茶

 ただでさえ、自民党も栃木県鹿沼市長選で某著名バスケ映画のコラ画像みたいなチラシを配ったり、立憲民主党による島根1区、静岡県知事選では公職選挙法違反の疑いのある戸別訪問を行う支援者が出たり、もう滅茶苦茶な面があります。演説に対する野次でも安倍晋三さんに対する野次を制止した北海道警は裁判で負ける一方、野党候補などへのつばさの党による選挙妨害ではマスコミも含めた大騒ぎになるなど、民主主義を支える大事で神聖な選挙運動に関してみんな適当なことやり過ぎなんですよ。

 本来であれば、オンライン選挙や政治活動におけるネット利用のあり方などもしっかり考えていくべきところですが、公職選挙法も生きている法律の割には都度都度パッチワークのような小幅改正でお茶を濁しながらどうにかやってきた面があります。

 本来ならば、投票したい人を有権者がしっかり吟味できるように選挙と活動と広報のあり方をしっかり見直して投票率を引き上げていかなければ民主主義は立ち行かないのです。

 政治不信って一言でみんないいますが、いわゆる政治とカネの問題も含めて、こういう政治と政党、候補に関する情報が正しく公平に有権者に届く仕組みが大事なのではないかと今回の件では強く思い直しました。