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 短期で終わった野田佳彦政権において広報担当の首相補佐官を務めた手塚さんは、前述・旧民主党議員だった鈴木康友さん(静岡県知事)から政経塾で同期であった野田さんを紹介され、いま自民党に移った細野豪志さん(衆議院静岡5区;三島市、富士市、御殿場市など)と一緒に、02年の旧民主党の党代表選で野田さんを担ぐに至ったという20年来の同志とも言えます。どちらかというと立憲の中でもリアリストで保守寄りと見られる野田さんを担いでいるのが立憲共産による野党共闘ラインを進める手塚さん、というのもいろいろ捻じれている気もしますが、政治ってどうせそんなものなので細かいことを気にしてはいけません。

告示日前のビラ配りは「事前運動」に当たるのでは?

 前置きはこのぐらいにして、蓮舫さんがこの手塚さんに担がれる形で立憲民主党と日本共産党の野党共闘路線に乗っかって都知事選を狙う――までは良かったんですが、勢いで早々に出馬表明をしてしまったものの、現職・小池百合子さんがかなり強くて、どの情勢調査でも蓮舫さんに勝ち目があるようには見えません。

©文藝春秋

 というより、告示よりもずいぶん早く立候補表明してしまったので、選挙戦スタートを待たずにいきなり失速してしまっているようにも見える状況であって、あまりにも惨敗するぐらいなら蓮舫さんは都知事選から撤退するんじゃないかとまで言われ始めてしまいました。そりゃないよ。

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 さらに、今回都知事選出馬にあたり、三井不動産が手がける神宮外苑再開発になぜか蓮舫さんがストップをかける話を争点に持ってきて騒ぎになっています。2015年に東京都が開発の認可を発表したのは事実ですが、もともと神宮外苑は明治神宮などの私有地であり、いわゆる神宮の森のある神宮内苑とは600メートルほども離れている場所にあります。

 樹木を斬るなとか近隣住民の憩いの場だとかいろいろ言われるものの、そもそもが宗教法人としての明治神宮が私有地を開放しているだけであって、東京都は再開発にあたり認可を下したにすぎず、都市開発や景観も含めて本来は第三者が何かを申し立てられるものでもありません。