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福田淳一 財務事務次官
「好きだからキスしたい。好きだから情報を……」

『週刊新潮』4月26日号

 4月19日発売の『週刊新潮』(4月26日号)が福田氏のセクハラ発言についてさらに詳しく報じている。2016年11月には「お胸触っていい?」「すごく好きだって気持ちとぉ、胸を触りたいって気持ちとぉ、キスをしたいって気持ちが同時に湧き起こってる」などの発言をしていたそうだが、なんといってもこの発言にトドメを刺す。情報を提供する代わりにキスを要求しているのだ。同号には、ある民放記者の「アラサーの女性記者は、ほとんど被害に遭っています」との証言も掲載されている。

 なお、福田氏は辞任を表明した折も「あんなひどい会話をした記憶はない」、19日朝に自宅前で記者団の取材に応じたときも「全体としてみると、そういうことではないということだ」とセクハラそのものを否定(朝日新聞デジタル 4月20日)。今後は裁判で争う姿勢を示した。

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財務省を出る福田事務次官 ©共同通信社

篠塚浩 テレビ朝日・取締役報道局長
「社員からセクハラ情報があったにもかかわらず、適切な対応ができなかったことに関しては深く反省しております」

朝日新聞デジタル 4月19日

 セクハラを受けた女性記者が所属するテレビ朝日の対応も問題視されている。19日未明に開かれたテレビ朝日の記者会見では、女性記者が上司に相談しながらも「報道は難しい」と伝えられ、『週刊新潮』に連絡したことが明らかにされ、篠塚浩取締役報道局長は適切に対応できなかったことに対して反省の弁を述べた(朝日新聞デジタル 4月19日)。

テレビ朝日の女性社員のセクハラ被害を明らかにする篠塚浩報道局長(右) ©共同通信社

 福田氏のセクハラは問題ではない、テレビ朝日がすべて悪い、という意見もネットには多い。代表的な意見として、経済評論家・池田信夫氏の次のようなものが挙げられる。「公平にみて、福田氏がスケベオヤジであることは事実だろうが、そんなことは事務次官の業務とは関係ない。こんなくだらない事件で行政を混乱させたテレビ朝日は関係者を処分し、全社員に報道倫理を教育すべきだ」(アゴラ 4月19日)。この人は何を言っているんだろう? セクハラが悪いに決まっているじゃないか。また、フリー記者の堀田喬氏が19日の民進党の記者会見で、質問の形であえて女性記者の実名を公表したことも話題となった。

 日本文学研究者のロバート・キャンベル氏は17日の『スッキリ』で、セクハラ疑惑を報じて「#MeToo(私も)」のムーブメントを起こしたニューヨーク・タイムズがピューリッツァー賞を受賞したことを引き合いに出し、「女優たちが一人ひとり実名を名乗って伝えられたのは、自分たちが不利を被らないという自信、社会が彼女たちを支えるという暗黙の了解があった」と指摘。昨年、伊藤詩織氏が当時TBSワシントン支局長だった山口敬之氏に性的暴行を受けたことを告発したが「葬られてしまった」ことを例に挙げて、「なぜ手を挙げなかったか、挙げられなかったのかは、けっこう根深いこと」と語った。