先週、「週刊文春」が報じたMr.Childrenコンサートの4億円にのぼる裏金疑惑。所属事務所「エンジン」の代表取締役の谷口和弘氏と、コンサートの制作責任者だった松尾貴志氏が、2018年と19年のコンサートツアーで制作費の水増し請求などを行なっていた事実が明らかになった。

 そして今回、ミスチルのコンサートの制作責任者が裏金の捻出後に約2億円でマンション6部屋を購入していたことが「週刊文春」の取材で新たに判明した。

ボーカルの桜井和寿 ©文藝春秋

都心のワンルームマンションを次々と購入

〈本記事で書かれているような、コンサート収益についての不正行為は一切ございません〉

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 ミスチルが所属事務所「エンジン」との連名で「週刊文春の記事について」という声明を発表したのは6月5日のことだった。

ミスチルとエンジンの声明(公式HPより)

 だが、社会部記者は「なぜ今さら裏金作りを否定したのか」と首を傾げる。

「谷口氏らは上場企業『プロルート丸光』(以下、プロ社)の株価を吊り上げるため、粉飾決算や風説の流布に絡んだとして、昨年11月、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の罪で起訴されています。谷口氏と松尾氏は東京地検の聴取に全面自供。その過程で、コンサートでの裏金作りについても詳しく供述しています」

 谷口氏の知人が続ける。

「2人はその裏金を原資に、プロ社の株価を吊り上げ、株を売却。それぞれ約3億円を手に入れたと見られています」

 大金を手にし、一気に羽振りが良くなった様子は、松尾氏の投資活動からわかる。2021年から23年にかけて、麻布十番、品川、西新宿など都心にワンルームマンションを少なくとも6戸購入していたことが登記簿などで判明している。

「6戸の合計で少なくとも2億円はくだらない。キャッシュではなくローンを組んでいるのは、現金資産を目減りさせたくないのか、不動産会社か銀行からローンを組むよう頼まれたのでしょう」(都内不動産業者)

エンジン代表取締役の谷口氏 ©文藝春秋

 6月12日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および、6月13日(木)発売の「週刊文春」ではミスチルコンサートの裏金疑惑についての第2弾記事を掲載。「チケット代値上げ」がどのように粉飾決算に使われたのか、谷口氏らによる粉飾決算の手口、また特捜部の調べに対する谷口氏らの供述などを詳報している。

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