『知ってるワイフ』で恋愛ドラマに開眼した?
3年連続GP帯で恋愛ドラマに主演し、しかもそのうち2本で新旧“恋愛ドラマ枠”をハシゴしているアリスさんですが、筆者が特に注目した恋愛ドラマは、2021年の『知ってるワイフ』(フジテレビ系)でした。
大倉忠義さんが主演し、アリスさんがヒロインを好演した、夫婦のあり方に迫っていくタイムリープ・ファンタジーラブストーリー。
主人公は10年前の大学時代、アリスさん演じる当時高校生だったヒロインの財布を拾ったことがきっかけで後に結婚。しかし明るく可憐だったヒロインは結婚して次第に恐妻になっていき、辟易していた主人公はひょんなことから10年前にタイムリープして……という物語。
アリスさんは、もともとの世界線のワンオペ育児をこなしながら主人公に当たり散らすモンスター妻と、新たな“結婚していない世界線”の気立てがよく笑顔が魅力的な女性を演じ分けたのです。
もともとの世界線ではいつもイライラして日々の生活に疲れ切っていたヒロインが、新たな世界線ではハツラツとしていてキラキラ輝いている。ベースが同じキャラクターでありながら、まったく違う“見え方”になっていたのは、アリスさんの演技力の高さと恋愛ドラマへの嗅覚のよさがあってこそでしょう。
その翌年に『恋なんて、本気でやってどうするの?』でGP帯の連ドラ初主演を飾り、『マイ・セカンド・アオハル』、『366日』と恋愛ドラマ主演が続いているのは、『知ってるワイフ』でのヒロインの好演がけっして無関係ではないはずです。
『366日』で女子高生姿を熱演
今夜最終話となる『366日』は、HYの同名曲から着想を得たオリジナルラブストーリー。
アリスさん演じる主人公と眞栄田郷敦さん演じる高校時代の同級生は、出会ってから12年後に再会してようやく恋人同士になれたものの、彼が不慮の事故で意識不明の重体になり、その後目覚めたものの記憶喪失になっていて――という悲恋すぎる展開で話題に。
本作は要所要所で高校時代のエピソードが挿入されるのですが、現在29歳のアリスさんが制服をばっちり着こなし、みずみずしい高校生役を演じています。『知ってるワイフ』でも高校時代のヒロインを演じていましたので、そういったシーンでも『知ってるワイフ』の経験が活きているのかもしれません。
『366日』が名作と呼ばれるようになれば、アリスさんが本当に“令和の恋愛ドラマ女王”と呼ばれるようになるかもしれません。いよいよ最終話、注目したいと思います。